Carousel Theater of Progress ACT1 Spring Turn of the 20th Century
ウォルトディズニーワールド マジックキングダムにあるアトラクション
『カルーセル・オブ・プログレス』をざっくり日本語訳してみました。
第1~4幕まであるので、1幕ごとの季節に分けた4部構成になっています。
『カルーセル・オブ・プログレス』についてはこちら👇
では、第1幕からどうぞ。
季節は春。
1800年代後半から1901年へ移りゆく時代を生きる家族の物語です。
家族構成は、父・母・姉・弟・祖父・祖母・叔父・犬。
たまにご近所さんの声だけ出演と、謎の少女の出演もあります。
アメリカの一般家庭の暮らしがよくわかります。
ちなみにウォルトは、まさにこの時代、1901年12月5日にシカゴで誕生しました。
最初のナレーション
ウォルト・ディズニーのカルーセル・オブ・プログレスへようこそ。
みなさんは本当の楽しみを味わえるでしょう。
カルーセル・オブ・プログレスは最初から最後までウォルト自身のアイディアであり、彼は本当にこれを愛していました。
彼は、1964年にニューヨーク市で開催された万博でこのショーを発表し、すぐさま大ヒットを記録しました。
何百万の人々がこのショーを見に来て以来、「カルーセル・オブ・プログレス」はアメリカの演劇史上、最も多くの公演を行いました。
ウォルトは進歩という考えと、アメリカの家族というものを愛していました。
それは彼自身が恐らく誰よりもアメリカ人であったのでしょう。
彼は、20世紀を生き抜いたアメリカの家族の姿を見るのが楽しいと思ったのでしょう。
彼は、それを「カルーセル・オブ・プログレス」と呼ばれるショーにまとめました。
私たちの「カルーセル」ファミリーは何年にも渡って変化を繰り返してきましたが、ショー自体は同じテーマを展開しています。それが進歩なのです。
新しい世紀が始まりますように。
出だしの曲を歌おう
歌詞はこちらを参照してください👇
世紀の変わり目 目覚ましい進化の過程
父親がゲストに話しかけるスタイルで始まります。
ざっくり日本語訳
今日はバレンタインデーか。(窓の外にいる)コマドリたちがお祝いの準備をしているようだ。
今は何年かだって?ああ、今は世紀の変わり目でね。
信じて欲しいのだが、今よりいい時代はないだろうね。
ビルは20階建てまでそびえ立ってるし、でっかいスクリーンで動画を見ることもできる。
この国には約8000台の自動車が走り、鉄道でニューヨークからカリフォルニアまで7日足らずで移動できる。
ノースカロライナ州出身の2人の兄弟(ライト兄弟のこと)が、空飛ぶ装置(1903ライト・フライヤー)の開発をしているという話を聴いたんだ。
(クスクス笑う)
どうせうまくいかないだろう。
家の周辺では、電灯・電話・最新デザインの鋳鉄製ストーブがある。
それから、貯水池は石炭を3つ入れただけで1日5ガロン(約19リットル)の水を保温するんだ。まあ、確かに薪を割るよりはマシだ。
我々の新しい冷蔵庫もいいんだ。見てくれよ!50ポンド(約22㎏)の氷が入るんだ。
牛乳がすぐには酸っぱくならない。
愛犬のローバーが、霜受けの水をあふれないようにしてくれているんだ。
昔は井戸から水を運んでいたんだが、今ではキッチンにポンプがある。
もちろん、水を入れるためのバケツは用意してあるさ。
生活を楽にするために必要なものはすべて揃っているよ。
お母さん(サラ)登場
ねえ、お母さん。
※ハニーとかサラと名前で呼ばずに「お母さん」と呼びかけるとは驚き!
んー?
新聞で読んだけど、トーマス・エジソンとか言う人がスナップ・オン式の電球照明を作ろうとしてるらしいよ。
電球照明ですって?
灯油もガソリンももう必要ないのね!
(クスクス笑う)
サラは、どうやら完全に理解したようだ。
※原文は “Sarah sure gets to the core of the apple. “
直訳すると「サラは間違いなくリンゴの芯に到達する」と意味がよく分からない訳になります。イギリス人に聞いたところ、リンゴは比喩的な使い方であって意味はないそうです。”get to the core of ~” は、「理解する・分かる」「核心に迫る」などの意味です。現代では、あまり馴染みのない表現だとも言ってました。
だけど、この新しい洗濯機は素晴らしいのよ!
たったの5時間で洗濯ができるの。
以前は丸2日もかかっていたんだから。
ああ、そうだね。
そのおかげで、余った時間で他に何かができるようになったね。
例えば…
詰め物をしたり、オーブンの掃除とかってこと?
そうだよ、サラ。
オーブンは自分で掃除しないだけよ。
分かっているさ。
たぶんオーブンは、これから先も自分で掃除はしないだろうね。
さてと、ちょっと失礼しますね。
土砂降りになる前に洗濯物を片付けないと。
※ ” it started raining cats and dogs.”の
“cats and dogs” は直前に、”rain”がつくと
「土砂降りになる」と言う意味になる。
北欧神話において、ネコは雨を降らせ、イヌは風を巻き起こす力があると言い伝えれたのが語源とされる。
ワン!(吠える)
心配しなくていいよ、ローバー。
サラは犬の話しをしたんじゃないから。
それに、今日は雨は降らないだろう。
私の腰痛は出ていないしね。(天気痛のこと)
雷が鳴り、雨が降り始める。
だから言ったでしょ、とは言いたくないわ
おやおや、降ってきたな。
やることは洗濯物を干すだけだね?
まあいいか、貯水池はいずれにせよ水位が低かったんだから。
※サラと一緒にいる「洗濯機のハンドルを回している三つ編みの女の子」については
ショーの中では、名前すら触れられていません。
ファンの中でも議論が巻き起こっています。
「一体全体、何者なのか」と。
いとこの子供とか、近所の子供が手伝いに来ているとか、パトリシアの小さい頃とか、
正解は出ておらず、謎は深まるばかりです。
左側にいる謎の少女👇
なんと!1964年のニューヨーク万博版にも出演していました。
その頃から、女の子についての説明はありません。
息子(ジェームズ)登場
息子ジェームス(愛称ジミー)登場。
父ジョンの立体(写真)鏡を使っている。
わあ!見て!
ジェームズ、私の新しいステレオスコープを使うなら
使っていいか私に聞いてからにしなさいと、言ったはずだがね。
それはおもちゃじゃないんだぞ!
すげーや!
リトル・エジプトがベリーダンスを踊ってるよね、
そうでしょ?お父さん。
彼女は素晴らしく綺麗だろ?
彼女はセントルイスで開催される万博(1904年)のスターなんだ。
(咳払いをし)
お母さんに見つかる前に片付けなさい。
えー。そんなー。
聞こえただろう!
おばあちゃんとオウム登場
さて、新しい蓄音機も持っていてね、
これがすごくてね。
家にいながら音楽が聴けるんだ。
おばあちゃんがオウムと一緒に蓄音機を聴いている。
♫There’s a great big beautiful tomorrow.
Shining at the end of every day.
彼女は一日中これを聴いている。
進歩だね!
娘(パトリシア)登場
ねえ、パパ!
なんだい?パトリシア。
パパ!
この人達、みんな無礼よ!
(アトラクションを見ているゲストのこと)
(クスクス笑う)
心配しなくていいよ、パトリシア。
彼らは友人なんだ。
(ゲストに向かって)
彼女は10代の娘でね。
街の反対側で行われるバレンタインダンスパーティーに行く準備をしているところなんだ、
新しい馬のいないトローリーに乗ってね。
今夜のバレンタイン・ディナーに
ママを連れて行くなんて
とってもロマンティックね。
ええっと、ほら、私は、紳士だからな。
パパとママのようにロマンティックな夜を過ごせるといいけど。
9時までには家に帰るんだぞ。
わかったね?
わかったわ、パパ。
ひとりツッコミの父・ジョン
※ ルートビアは、ハーブ(サルサパリア)の根を発酵させて作るスパイス系飲料。
“Beer”と名前にあるが、色や見た目がビールに見えるからで、アルコールは一切入っていません。
時代背景
アメリカ編👇
- 1851年 ニューヨークタイムズ創刊
- 1861年 南北戦争
- 1863年 奴隷解放宣言
- 1869年 大陸横断鉄道開通
- 1871年 ニューヨーク地下鉄開通
- 1876年 ベルが電話機発明
- 1877年 エジソンが蓄音機発明
- 1879年 エジソンが白熱灯発明
- 1889年 エジソンが映画発明
- 1898年 アメリカ・スペイン戦争
日本編👇
- 1858年 鎖国終わる
- 1867年 明治天皇即位
- 1872年 鉄道開通
- 1881年 国会開設
- 1882年 日本銀行設立
- 1883年 鹿鳴館開く
- 1885年 内閣制度創立
- 1889年 大日本帝国憲法発布
- 1897年 産業革命始まる
呼び名の変化も
ジョンは右手にパイプ、左手に新聞紙を持っています。
ジョンのパイプは、この時代で終わりです。
娘のパトリシアが父親の敬称を時代ごとに変えているのも注目です。
10代前半は「Papa」
10代半ばは「Father」
10代後半は父親とは会話しません。電話で友達と会話しているシーンのみです。
最後のシーンは「Dad」
時代と共に移り変わる、父と娘の微妙な親子関係がリアルに再現されています。
ちなみに弟のジミーは一貫して「Dad」です。
第1幕を見てみよう
以上を踏まえて、第1幕のみを見てみましょう。
第二幕 夏 1920年代へ続きます。