ディズニー・スプリングス Earl of Sandwich® アール・オブ・サンドウィッチ

Earl of Sandwich Walt Disney World
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アール・オブ・サンドウィッチについて

Earl of Sandwich

第一号店はディズニー・スプリングス店

「世界一のホットサンド」と名乗るほどの美味しさで知られている『Earl of Sandwich(アール・オブ・サンドウイッチ)』は、2004年3月19日、ウォルト・ディズニー・ワールドのダウンタウン・ディズニー(現在のディズニー・スプリングス)に第一号店をオープンしました。


その後、18年の間に・・・

・全米に31店舗
・ディズニーランド・パリに1店舗
・カナダに2店舗
・フィリピンに4店舗

販路を広げ、合計38店舗オープンしています。(2022年2月現在)

ディズニー・スプリングスで人気のあるファストフード店ですが、お店の名前からしててっきり、ロンドンが本店のチェーン店 or フランチャイズ店だと思い込んでいました。
ディズニー・スプリングスから歴史が始まっていたとは、とても意外でした。
※後ほど記述しますが、第一号のロンドン店は2年8ヶ月で閉店してました。

THE WORLD’S GREATEST HOT SANDWICH 世界一のホットサンド

メニューはわりと豊富です。
・ホットサンドイッチ
・ピザブレッド
・スープ
・サラダ
・ラップサンド
・デザート
などです。

サンドウィッチは、職人が完璧に焼き上げたパン・最高級の肉・野菜など、厳選された食材が自慢です。

メニュー表は英語のみです👇

Earl of Sandwich

ドリンクには、アールグレイレモネードなどのハーブティーもあります。
オーランドでは、21歳以上の方は、有効な身分証明書を提示の上でビールとワインも注文可能です。

お店の看板メニュー The Original 1762®

サンドウィッチが誕生した1762年のオリジナルサンドウィッチがこちらです。
「職人が焼き上げたパン・ローストビーフ(アンガス)・チェダーチーズ・わさびソース」

一族の誇れる伝統を受け継いでいる、お店の看板商品です。

サンドウィッチの歴史

では、サンドイッチはどのようにしてできたのでしょうか。
諸説あるようですが、ここでは一般的に知られている説をご紹介します。

サンドウィッチは、1762年にイギリスの第4代サンドウィッチ伯爵ジョン・モンタギューによって広められました。
ジョン氏は重度のギャンブル依存症だったようで、カード(トランプ)をして何時間も過ごすことが度々ありました。
食事を取る時間さえ惜しんで、カードに熱中していたようです。

ある日のこと、彼はお腹が空いたので、カードをしたままお腹を満たすために、使用人に2切れのパンと肉の切れ端を持ってくるように頼みます。
パンの間に肉を挟み片手で食べられたことに大満足しました。
カードを中断することなく、お腹も満たせて一石二鳥だと。
現代の「廃人ゲーマー」的な生活から生まれたのが「サンドウィッチ」の原型でした。

ジョン氏の習慣は、ギャンブル仲間や、ロンドンの社交界で評判となり「サンドウィッチ伯爵と同じものを!」と注文されるように。
こうして「サンドウィッチ」が誕生したのです。

第4代サンドウィッチ伯爵ジョン・モンタギュー氏👇

Earl of Sandwich

イギリス貴族のお話

イギリス貴族言えば、イギリスドラマの『DOWNTON ABBEY (ダウントン・アビー)』が思い出されます。
1920年代のイギリス貴族と使用人達の日常を描いた超人気ドラマです。

当時の貴族社会のマナーや慣習が、堅苦しかったり、厳しすぎる場面ばかりで、引いてしまう場面も多かったです。
血筋を残し、代々受け継いでいくことが何よりも大事だけれど、そのほかにも、マナーと慣習を守り抜いていくことが彼らにとっての「社会的な義務」だったようです。

特に、「Dining etiquette(食事のマナー)」がもう本当に ひどい すごいです。

晩餐会前のマナー

・執事はテーブルセッティングに、ものすごく気を遣う。
⇒食器や銀食器を置く角度や距離は一定にしなければなりません。そのために執事は、それを測るための器具を持っている。
・銀食器はいつでもピカピカに磨き上げなければならない。

・食事の度に、女性陣は着替えをしなければならない。(1日に5回の日もあります)
⇒もちろんメイドが着替えさせます。

食事中のマナー

ゲストが来たときの晩餐会は、その屋敷の主人(ホスト)の妻(ホステス)が仕切ります。

・各コース料理や食後のドリンクを飲食できるのは、ホステスがひとくち食べたり飲んだりした後。
・各コースの料理はホステスが、皿の上に銀食器を「finished position(食べ終えた位置)」(※皿を時計に例えると、4時の位置)に置いたら、ゲスト達の食事も強制終了。
・晩餐会お開きのサインは、ホステスがナプキンを皿の左側に畳んで置いたとき。
・ホステスが立ち上がったら、ゲストも同じく立ち上がらなければならない。

晩餐会中のマナー

・晩餐会でのトークテーマは、ホステスが決める。
・ホステスが、右側のゲストと話していたら、他の人も右側の人と話す。同様に左側のゲストと話したら、それに沿う。

まだまだありますが、このくらいにしておきます。

食事以外にもたくさんの 面倒な マナーがあります。一例をご紹介。

✰身のこなし✰
・落ち着いて優雅に行動する。(手を大きく動かしてはならない。)
・肩より下に手を置くこと。(手で目・口・鼻に触れてはいけない。)

グランサム伯爵一家と使用人の世界を覗き見できるドラマです


現代人の目から見たら、奇妙に映る光景も、当時の貴族社会では大真面目におこなわれていた慣習でした。
しかし、1762年のサンドウィッチ誕生秘話を知ってしまうと、食事をする行為が、なぜこんな面倒な儀式に様変わりしてしまったのか疑問です。
約150年前は、ギャンブラーの貴族がファストフードで満足していた時代だったのに・・・。
ヴィクトリア王朝の間に、庶民とは違った生き方をしなければならない文化を、貴族社会みずからで育て上げたのでしょうか。

ジョン・モンタギュー伯爵のように、ギャンブルに明け暮れて、片手でサンドウィッチを食べるほうが現代に近い感覚ですが、1920年代のイギリス貴族文化では、御法度中の御法度ですね。
そんなことをしたら、一族から永久追放されてしまうでしょう。

サンドウィッチ伯爵

お店の名前の『Earl of Sandwich(アール・オブ・サンドウイッチ)』の Earl は伯爵という意味です。ですから、日本語に訳すと「サンドウィッチ伯爵」です。

第4代サンドウィッチ伯爵のジョン・モンタギューから7代の伯爵を経て、現在の直系の子孫の第11代サンドウィッチ伯爵のジョン・モンタギュー氏(⇒第4代サンドウィッチ伯爵と同じ名前!)の次男 Orlando Montagu(オーランド・モンタギュー)と共に経営しています。

現在の第11代サンドウィッチ伯爵夫妻の邸宅は、マッパートン・ハウス&ガーデンズです。
1955年以降に移り住み始めました。

長男のルーク・モンタギュー氏(53歳)は、法定推定相続人です。
アメリカ人の奥様とお子さん達と邸宅で暮らしています。
日々の暮らしぶりを動画やSNSで公開されています。

マッパートン・ハウス&ガーデンズの霜の降りた朝の光景
素敵すぎます✨

ドームズデイ・ブック(1085年からの土地台帳)によると、1086年からの登録が確認できます。936年の歴史がある由緒正しい貴族のお屋敷です。
庭は約60,000㎡あり、渓谷と丘の手つかずの田園風景(ナチュラル・ガーデン)と美しく手入れの行き届いた整形式庭園(フォーマル・ガーデン)のコントラストに魅了されます。
中世に建てられた教会(オール・セインツ・チャーチ)もあり、結婚式が上げられます。
春から秋までの期間は、一般にも有料で公開されているようです。(併設のカフェもあります。)

そんな素敵な邸宅ですが、莫大な維持費がかかります。

屋根の一部が剥がれ落ちているのに、修理できない状況や収入源を確保するために、サンドウィッチ店の開業を始めたと、現伯爵は動画で語っていました。

先代の伯爵は、サンドウィッチ店を経営するなんて考えたこともなかったでしょう。
伯爵の名前を冠にして世の中に売り出すとは、貴族の恥だと。
しかし屋敷を存続させるために、背に腹はかえられないですね。

さきほど、ご紹介した『ダウントン・アビー』のドラマでも、屋敷の管理や維持費について 一族の中で揉めるシーンがあったくらいですから。

公式の動画(2011年11月30日公開)でインタビューでお金問題について答えています。
インタビュアーが、屋根の剥がれを指摘していました。
2:07の所でその映像が確認できます。

おまけ 屋根の剥がれ、その後・・・

2021年9月17日 マッパートン・ハウス&ガーデンズ公式の投稿

2011年から10年が経過した2021年の画像ですが、屋根の剥がれは修理されていません。
この建物は、The North Stable Block (北側の厩舎棟)で、公式動画の映像と同じ建物です。
映像や画像を見る限りですが、屋根や壁の剥がれは結構あちこちに見られました。
どうやら修復作業をするつもりはないようですね。

もしかしたらアール・オブ・ポーツマス(ポーツマス伯爵)だったかも説

記録によると、1600年代の初代サンドウィッチ伯爵エドワード・モンタギューは名前を「Earl of Portsmouth(ポーツマス伯爵)」の称号を受けるはずでした。
しかし、青色艦隊海軍大将でもあったため、イギリス南海岸に位置する街「Sandwich(サンドウィッチ)」の沖合で青色艦隊(Admiral of the Blue)を指揮しました。
その名誉を称え、「サンドウィッチ」の称号を与えられたそうです。

もし、青色艦隊を指揮していなかったら、「ポーツマス伯爵」のままだったでしょう。
お店の名前も『Earl of Portsmouth』だっただろうし、当然のごとく食べ物の「サンドウィッチ」は「ポーツマス」と呼ばれていたはずです。
お笑い芸人の「サンドウィッチマン」の芸名も「ポーツマスマン」だったのかもしれません。

ちなみに、「Sandwich」の地名は、
Sand⇒砂地
wich⇒場所
「砂地の場所」から由来しています。

サンドウィッチを食べる度に、砂のジャリジャリした感触を思い出しそうで怖いです😅

ハワイ諸島はサンドウィッチ諸島

ちなみに、キャプテン・クックがハワイ諸島を発見したときの海軍大将だったのが、第4代サンドウィッチ伯爵のジョン・モンタギューでした。

サンドウィッチ伯爵は、ジェームズ・クック船長の大いなる支援者で、
クックの第二・三弾の太平洋探検のために、船の購入と艤装ぎそうのための資金を承認したのです。

クックは伯爵に敬意と感謝を表し、島々に伯爵の名前をつけました。

クック船長が命名した伯爵に関する名前の島々

・サンドウィッチ諸島(ハワイ)
・モンタギュー島(オーストラリア南東沖)
・サウス・サンドウィッチ諸島(南大西洋)
・モンタギュー島(アラスカ湾)
・ヒンチンブルック島(オーストラリア)⇒伯爵がヒンチンブルック子爵の任命もされたことによる。

あまり大きな声では言えませんが、イギリス海軍のを指揮した際に、覇権を握れなかったことで無能のレッテルを貼られていました。それが、アメリカ独立戦争の結果にも左右したようです。
だから名誉挽回のために、手厚いサポートをしたのかもしれません。

英国国内の位置関係

ロンドンの南東方向の街 サンドウィッチ
ロンドンの南西方向の街 ポーツマス
ロンドンの南南西にある邸宅 マッパートン・ハウス&ガーデンズ
ENGLAND MAP
openstreetmap.org

海の近くに縁がある一族ですね。

ダジャレから生まれた?サンドウィッチ店

まさかのダジャレから発生した「アール・オブ・サンドウィッチ」誕生秘話?

次男であるオーランド・モンタギュー氏(現在51歳)が考案したコンセプトを基に、プラネット・ハリウッドの創業者であり実業家のロバート・アール氏とタッグを組み、Earl of Sandwichをオープンします。
名前が同じの偶然が重なり合い、必然となりました😁

ややこしいので、次男のオーランド・モンタギュー氏の経歴をまとめました👇

・1995年頃~ 父親の第11代サンドウィッチ伯爵のジョン・モンタギュー氏を説得し始める。
※サンドウィッチ考案者の第4代サンドウィッチ伯爵のジョン・モンタギュー氏と名前が同じです。

・1997年頃~ フロリダ州オーランドに住む実業家のロバート・アール氏に手紙を書く。
「あなたの名前はアールで、私の父もアール(伯爵)です。」
「あなたはオーランドに住んでいて、私の名前もオーランドです。」
「あなたはレストランのビジネスに成功していて、私もサンドウィッチでビジネスをしようと思っています。」

・2000年10月 Earl of Sandwichを商標登録する。

・2001年2月 ロンドンでサンドウィッチのデリバリービジネスを立ち上げる。

・2011年4月18日にロンドンにEarl of Sandwich1号店をオープン。(2014年2月28日に閉店)
※野菜はオーガニックのものを使用し、肉は小規模生産者から仕入れていました。
高品質のプレミアムブランドを目指していたようです。

・2002年頃~ ウォルト・ディズニー・カンパニーとの契約に着手する。

・2004年3月 ディズニー・スプリングス店オープン。

2019年トリップアドバイザーがお気に入りのレストランを表彰

2019年『トリップアドバイザー』が「トラベラーズ・チョイス・アワード」のファスト・カジュアル・レストラン部門で Earl of Sandwich(アール・オブ・サンドウイッチ)を表彰。

この賞は、全米を拠点とするファスト・カジュアル・レストランの中からトップ10を選ぶものです。
その中から多くの票を獲得した Earl of Sandwich(アール・オブ・サンドウイッチ)は見事、第1位を獲得しました。

ロバート・アール氏のコメント(抜粋)です。

皆様に、私たちの取り組みを評価していただき感謝いたします。
また、私たちの Earl of Sandwichのチームの努力と献身に感謝したいと思います。

オーダーから受け取りまでの流れ

WDW滞在中に、何度も食べました。
手軽に食べられるのに、美味しい。しかもチップ不要です!

基本的に、フードコートと同じ流れでとても簡単です👇

①レジで注文して会計
②ベルを渡される
③ベルが鳴ったら注文品を受け取る

すべてその場で手作りします。注文してから特製のオーブンで焼き上げるので、多少の時間はかかります。

Earl of Sandwich
ベルが鳴ったら商品を取りに行きます。

ディズニー・スプリングス店の補足情報

・広さは約930㎡。
・店内で食べようが、持ち帰ろうが、すべての注文品を袋に入れて渡されます。
・店内用のトレーは存在しません。
・サンドウィッチは半分にカットされているので、食べやすいし家族や友達とのシェアが可能です。
・ファウンテン・ビバレッジ(ソフトドリンク)は空の紙カップを渡され、ドリンクバーのように自分で注ぎます。
・店内の照明は暗めですが、オープンテラス席もあります。
・店内にトイレはありません。

ホリデーターキーサンドウィッチ
コブサラダ
ブロッコリー&チェダースープ
Earl of Sandwich
また食べたい!!!!!

日本上陸を切望します!

現在38店舗で、アジアはフィリピンに4店舗あるのみです。
ファストフード店の中では、味はかなり美味しいしですし、価格に対する満足度も高いです。
日本で展開されたら、絶対に流行ると思うのですが・・・。

フランチャイズで、『ノン・トラディショナル・モデル(簡易的な店舗)』であれば、空港・フードコート・テーマパーク・ビジネス街の路面店などでも展開できるそうです。
日本で事業してくれる方いないでしょうか?

アール・オブ・サンドウィッチが日本初上陸です!」というニュースを心待ちにしています。

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