日本未公開のディズニー映画「Rascal (ラスカル)」その1

Raccoon ディズニー映画
Bob Hall Raccoon
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ディズニー映画「Rascal (ラスカル)」について

映画「Rascal(ラスカル)」の題名で、1969年に公開されました。
1969年公開と言うことは、ウォルトの亡き後の作品ですね。
日本では未公開だし、DVDなどの発売もされていません。
So Dear to My Heart」と同じです。
日本では、ラスカル人気が高いのになぜでしょうね。
知る人ぞ知る、この作品について触れていきたいと思います。

作者のスターリング・ノースについて

以前に、日本で未公開のディズニー映画「So Dear to My Heart」についての記事を書きました。

こちらです👇

So Dear to My Heart」の元になった原作の「Midnight And Jeremiah」の作者がスターリング・ノースです。
彼はアメリカの作家です。

Rascal, A Memoir Of A Better Era(はるかなるわがラスカル)」も彼の作品なのです。
日本ではこちらの作品の方が、はるかに有名ですね。
この作品をディズニーが実写版で映画化したものが「Rascal (ラスカル)」なのです。

自分が12~13歳のときにアライグマを飼った思い出を、晩年の1963年の57歳のとき、彼の妻に捧げる読み物としての自伝記「Rascal, A Memoir Of A Better Era(はるかなるわがラスカル)」を出版しました。
作品はベストセラーとなり、3つの文学賞を受賞します。
2年後の59歳のときに、子ども達でも読めるようライト版の「Little Rascal(あらいぐまラスカル)」を出版しました。
いまだに児童文学の分野で人気があり、読み継がれているそうです。

英語版の小説👇

こちらは日本語版👇

原作本(初版)が博物館に飾ってありました(ちょっと感動)👇

スターリング・ノースが少年時代を過ごした家が博物館として保存され、見学が可能となっています👇

Sterling North Boyhood Home photos
Photo artifacts


あらいぐまラスカル」のアニメーションの主人公名と同じ名前ですよね。気がつきましたか?
昔、アニメを見ていた昭和世代の方にしかわからないかもしれないですが・・・😅

主人公の少年の名前も「スターリング・ノース」です👇

小説と映画のあらすじ

ざっくりですが、アメリカで読まれている「Rascal, A Memoir Of A Better Era(はるかなるわがラスカル)」とディズニー映画版の「Rascal (ラスカル)」のあらすじをそれぞれ書いていきます。

「Rascal, A Memoir Of A Better Era(はるかなるわがラスカル)」のあらすじ

・11歳のスターリングはウィスコンシン州ブレイズフォード・ジャンクションで父と暮らす。
・母を病気で亡くしたばかりで、2人の姉は成人して家を出ている。
・兄は第一次世界大戦で戦地へ赴いている。
・ある日友人のオスカーと釣りに出かけ、あらいぐまの赤ちゃんを捕まえ育てることを決意する。
・スターリングはカラスのポーなど他の動物とも仲良くする。
・夏休みの間、居間でカヌーを作ることになり、材料費のために新聞配達のバイトをする。ラスカルも一緒に自転車のかごに乗せて配達ルートを廻る。
・パイコンテストに参加し優勝したスターリングだが、ラスカルも手伝ったと審査員に言われ失格となる。オスカーが繰り上げ優勝となる。
・ラスカルは隣のトウモロコシ畑を荒らすことがしばしばあり、注意される。そのときにラスカルはお隣さんを噛んでしまう。
・スターリングはラスカルを入れる檻を作る。
・スターリングの兄が帰国したものの、スペイン風邪にかかり、回復するまで叔母さんの家で過ごすことになる。
・ラスカルのイタズラが更に顕著になってきて、近隣住民から鉄砲で撃つと脅される。
・スターリングはラスカルの首輪を買う。
・ラスカルは自然に返したほうがいいと悩みに悩んだ末、完成したカヌーで何時間も漕ぎ続けコシュコノング湖の森でラスカルとさよならをする。

「Rascal (ラスカル)」のあらすじ

・スターリングが自転車のかごにラスカルを乗せハウザーも共に走っている所から始まる。(過去の記憶を振り返る回顧録)
・姉は成人して家を出ている。
・スターリングが学校から帰ると父から「母が病気で死んだ」と聞かされる。
・ハウザーが庭に来た母アライグマを追い払おうと吠え立てる。
・母アライグマは赤ちゃんアライグマを一匹残して去って行く。
・父はその赤ちゃんアライグマがかわいそうになり飼うことにする。
・父と家政婦が家からいなくなり、ひとり暮らし(ハウザーとラスカルも一緒に)をすることに。
・夏休みの間カヌー作りに励むが、担任の先生と牧師さんがひとりで暮らすのは間違っていると懸念を示す。
・感謝祭で姉が婚約者を連れて戻るが、スターリングがひとりで暮らしていたことを初めて知り、激怒する。
・姉は結婚を取りやめてスターリングの面倒をみようと決意する。
・スターリングはラスカルが脱走するのを止めたら噛みつかれてしまう。
・もう自力では飼えないことを悟る。
・完成したカヌーで湖に行き、森の中でラスカルを放す。
・ラスカルはメスのアライグマと出会うが、ヤマネコに追われてしまう。
・しかしラスカルが戦ってヤマネコを倒すところを見て、もう自然の中で生きていけると確信する。
・カヌーを漕いで、ラスカルに手を振って別れる。

短い動画ですが雰囲気をつかんでみてください👇

スターリングとウォルトの当時の服装について

主人公の少年スターリングの服装に注目してください。
日本のアニメーションは時代背景に忠実だと思いませんか?

1918年にスターリングはウィスコンシン州のウェントワースの森で、あらいぐまの赤ちゃんを連れて帰る実話の話です。

1918年と言えば、第一次世界大戦が締結した年です。
ウォルトがフランス戦線から帰国した年ですね

スターリングの学校の制服です👇

当時のアメリカの小学校はだいたいこのような制服で学校に通っていました。帰宅後も着替えずに遊んだり、家の手伝いをしたりしていた子どもも多かったでしょう。

少年時代のウォルトも似たような制服ですね👇

5年後、起業した頃もあまり服装に変化がないのにびっくり👇

なにが言いたいかと言うと、映画版の「ラスカル」は、田舎の少年のイメージをちょっと盛ってるなと思ったからです。
確かに、オーバーオールの方が動きやすいしキャップ帽子の方が少年らしさが出ます。
映画公開の1969年頃には、ハンチング帽に白シャツ・ズボンの組み合わせは、古くさすぎてあり得なかったのでしょう。

日本のアニメ(世界名作劇場)で当時の子ども達が着ていたであろう服装を忠実に描いているのだな、と言うのが率直な意見です。

その2に続きます

まだまだ書きたいことがあるのですが、長くなってしまうので、その2に続けます。
映画「So Dear to My Heart」と「ラスカル」が同じ作者の作品だとは意外と知られていない事実かもしれないと思い、記事にしてみました。
映画「So Dear to My Heart」の撮影後に、ウォルトとスターリングは直接会っています。
お互いに年も近いし、幼少期の境遇(家が農場経営・新聞配達のアルバイトなど)が似ていたり、動物好きだったりと、きっと意気投合したに違いないと思います。
しかし、映画「Rascal(ラスカル)」はウォルトが直接かかわっていないのが残念です。
ウォルトが生きていてこの映画を監修していたら、作品内容が違っていたかもしれないですね。


続きはこちらです👇



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