アメリカアリゲーターとは
WDWのブログとは関係ないと思われるかもしれませんが、実はフロリダ州では切っても切り離せないほど身近に存在するワニ。
今回はそんなワニについて取り上げます。
動画作成しました。ブログ記事とは少し内容を変えているので、両方見てもらえると嬉しいです。
米国南部固有種のアメリカアリゲーター。
以前は、ワニ革目当ての乱獲があり絶滅危機に陥りました。
しかし保護活動の成果により120~130万頭にまで増えてきたそうです。
大きいものはなんと5mを越えます。
ゴルフコースをのしのしと闊歩するワニ👇
人間とワニが共存していて微笑ましいです。
普段はおとなしく、人を襲うことはめったにないのです。
ただ、4月~8月まではアリゲーターの繁殖期にあたり、普段よりも攻撃的になっている可能性が高まるので注意が必要です。
実際に襲われた事例もあります
WDWの公式ホテルの「グランド・フロリディアン・リゾート」の人造湖で遊んでいた男の子がワニに襲われる痛ましい事故が起きました。
グランドフロリディアンリゾート外観👇
2016年6月に2歳の子どもがワニに襲われて死亡した記事です。
「ワニに襲われた2歳児、遺体で発見 米ディズニー旅行が一転悲劇に」
この地図の黒丸の浅瀬で遊んでいてワニに引きずり込まれたようです👇
事故のあった同じ日に、遊びに来ていた別の母親がFacebookに心情を載せていました。
ざっくり日本語訳
家族のために、そしてこの悲劇的な出来事を目撃した人々のために、一生懸命に祈りましょう。
私はこれらの写真を午後8時〜8時半の間に起こった同じ場所で撮影しました。
その事故は午後9時に起こりました。
ヘリコプターは午前1時〜夜明け頃まで頭上を旋回していました。
ワニに連れて行かれた行方不明の子どもを捜していることを知っている人達は、ぐっすり眠ることができなかったことでしょう。
うちの子は彼と遊んだのかしら?
私は彼のお母さんに話しかけたかしら?
子どもがいなくなったのにどうやって家に帰ればいいの?
彼の両親を批判するSNSの投稿を見てきました。
私の子どもが浅瀬で遊んでいた時、ワニのことはまったく頭になかったです。
プール、ウォータースライド、レストラン、ファイヤーピットに囲まれた小さなビーチです。
ワニがこんな人々が集うような小さなビーチにいるとはとても思えません。
#judgelesspraymore
https://m.facebook.com/jennifer.venditti.18/posts/10154371872047147?
まさか、安全だと思っていた場所に、危険が待ち受けているなんて考えないでしょう。
ましてや、ディズニーワールドの人工湖にワニがいるなんて普通は想像もしません。
その人工湖に、なんと5頭ものワニが生息していたのです。
驚くべき事ですが、すでに確保済みです。
どうやら天然の湖と、湖底で繋がっていたようです。
自由に行き来が可能な状態だったのですね。
WDWの責任者も管理者もキャストもゲストも、誰も考えつかなかった悲惨的な事故となりました。
まだ二歳の小さな子が急にいなくなってしまうなんて、お母さんの事を想うと胸が苦しくなります。
しかも、SNSでその子の両親を非難する投稿をした人がいたとは。
なんとも悲しい世の中です。
2018年6月にはフロリダ州在住の日本人女性が、愛犬2匹と湖畔を散歩中にワニに襲われて亡くなる事故もありました。
https://japan.techinsight.jp/2018/06/ellis06020610.html?utm_content=uzou_1&utm_source=uzou
両方とも6月の出来事です。繁殖期は本当に注意しましょう。
注意書きの看板
「グランド・フロリディアン・リゾート」事故の後、沼地や湖にこのような注意喚起の看板を設置するようになりました。
写真の看板はハリウッドスタジオとエプコット/ボードウォークの間にある湖の際にありました。
ボート・バス・ゴンドラなどの移動手段があるので、歩く人はあまりいないと思いますが。
朝の散歩時や、閉園後の混雑を避けるために歩く時などは注意が必要です。
春〜夏はやめておいた方が賢明です。
ワニだけでなく、ヘビも出てくる可能性があるのですね。
ちなみに私たちが歩いたのは冬の時期でしたが、湖の水際の草むらにウンカが大量発生してました。
習性を知ることが大事
共喰いもします
アメリカアリゲーターは、3〜6月の繁殖期に、人間を含めた動物など口に入る物なら何でもエサだと思い食べようとする習性がある事を知っておきましょう。
普通に、共喰いもするそうです。
湖・淡水の川・沼地・湿地帯などの水が溜まっている所は、すべてにワニもしくはヘビがいてもおかしくはないので絶対に近付かないこと。
自宅のプールに忍び込んでいた事例もあります。
獲物に近づく手段
鳥類・ほ乳類と同等の聴覚を持っています。
水中にこっそり沈んでいる際、目と耳が出ていることがあります。
相手に気がつかれないように近づいていき、水際にいる獲物を水中に引きずり込むのです。
一方、水中ではどのように狩りをするかというと。。。
目と耳の付近にある「Dermal Pressure Receptors」(皮膚圧力受容体)と呼ばれる「Sensory Pits」(感覚孔)があります。
この「感覚孔」には神経が通っていて、水中のちょっとした振動や圧力変化を察知し獲物に近づきます。
この神経回路のおかげで、暗闇でも狩りが可能となるのです。
つまり、水中で獲物が近づいてきたら、センサーが働き、何も考えずにその方向へ口を開けて獲物を丸呑みできる仕組みのようですね。
小石を溜め込みます
ワニは消化を助けるために胃の中に小石を溜め込む習性があります。
溜め込んだあと、その石は胃石となり、食物をすりつぶして咀嚼の代わりにするそうです。
昔は草食系だった?
2019年6月に発表された調査によると、化石化した歯を分析し導き出された結果、2億年前のワニは肉を食べない歯の形だったようです。
現在のワニからすると、ちょっと考えられない話ですが、大昔のワニは温厚で植物のみをを食べ暮らしていたらしいです。
ジャングルクルーズのワニ達👇
赤ちゃんワニ
母ワニは、85日間 卵を孵化させた後、水中で赤ちゃんワニを約2年間育てます。
約8年で大人になり、寿命は約35~50年です。
1年毎に繁殖期を迎えます。
孵化の時期が近くなると、母ワニは水辺に巣を作り待機します。
約40~80個の卵を育てるために土・落ち葉・枯れ葉などで塚状の巣を作ります。
卵から鳴き声が聞えると、巣開けの合図です。
卵を巣から掘り出し、歯で殻を割ります。
そして赤ちゃんワニを取り出します。
「温度依存性決定」
孵化の時の気温で性別が決まるのだそう。
ワニの場合、32℃以上ならオス。30℃以下ならメス。
面白い習性ですね。
温度と言えば、ワニは日光浴中に温度調整をします。
どうやってやるかわかりますか?
答えは簡単。口を開けるだけです。
暑いと感じたら、いちいち水中に潜るのではなく、口を開けて体の表面の温度を下げるのです。
これも、興味深い習性ですね。
甘えている姿はとてもかわいいです👇
赤ちゃんワニは、背面に黄色い横縞があるのが特徴です。
ワニが水陸両方で生息できる動物であることにちなみ「クロックス」と名付けられたそうです。プリンセス好きのお子さんに喜ばれる柄です👇
オフィス用の「クロックス」👇
もし、襲われたら・・・対処法をご紹介
万が一、ワニに噛まれて水中に引きずり込まれてしまう状況に陥ったら・・・。
指でワニの鼻をふさいでしまいましょう。
単純に息ができなくなり、窒息したくないワニは口を開けて呼吸をします。
その瞬間に逃げましょう。
実際にそうやって助かった事例が載っていました👇
ジンバブエの母親が息子を救った話題です。
https://japan.techinsight.jp/2020/04/masumi04211314.html
本と映画から学ぶ
ワニの本
ワニが大好き過ぎて、ワニの宝庫のオーストラリアに20年も住んで研究している、福田雄介氏が書かれた著書「もしも人食いワニに噛まれたら!」はとても読んでいて面白かったです。
まじめに研究されていて、本当に勉強になりました。
お子さんにもオススメ👇
ワニの映画
日本の公開が2019年10月の映画「クロール-凶暴領域-」。
フロリダを襲った巨大ハリケーンにより動物園のワニが逃げ出し、父と娘に襲いかかる。
しかも安全な家の中で。約90分の手に汗握るサバイバルスリラーです。
私は、ドキドキしっぱなしの映画は持病の関係で見ることができないのですが、映画ファンからの評判はなかなかよさげです。
レビューに「ワニワニパニック」と書いている人がいて、クスッと笑ってしまいました。
「家の中にワニがいます。/ Alligators inside.」
この文章怖すぎでしょ。
そう思いますよね?しかし。。。
この映画のように人は襲われてはいませんが、真夜中のキッチンに体長3.3メートルのワニが侵入した事件がありました😲やはりフロリダ州です。
短くまとめられたBBCのニュースです👇
フロリダ産のアリゲーター 食用で売ってます
たまたま見ていたXのポスト(旧Twitter)に衝撃の画像がありました。
アメリカ在住の日本人の方の投稿です。
なんと、スーパーにワニ一頭が丸々売っていたとか。
その方は、BBQ用に買ってみたかったけれど、巨大すぎて車に乗せられず。。。
車のルーフに乗せることも考えてみたけれど、尻尾を引きずってしまうほどの大きさで断念したそうです。
その衝撃の画像はこちらです👇
ちょっとワイルド過ぎやしませんか?アメリカさ〜ん。
買い物に出かけて、こんなのを見かけてしまったら叫び声上げてしまうでしょ。
知ってても、声は出てしまうかも。
だって、スーパーにワニですよ!
日本のスーパーでたまに見かける、マグロ解体ショーみたいな感覚なのでしょうか?
フロリダ産のアリゲーターのようですが、オーランドのスーパーでは売っていませんでした。
この方は、オハイオ州のシンシナティの巨大スーパーで写真を撮ったそうです。
鶏肉に似た味で、普通に美味しいとのこと。
ワニの種類
ワニの種類を見分ける簡単な方法をご紹介。
・クロコダイルは、上から見るとVの字型で口を閉じても上下の歯が見えます。
・アリゲーターは、上から見るとUの字型で口を閉じると上の歯しか見えません。
ちなみにアニマルキングダムの「ダイノランドU.S.A.」にはアメリカアリゲーターが生息しています👇
「アフリカ」のキリマンジャロサファリには、ナイルクロコダイルが生息しています👇
口を開けているワニがいますね。暑いと感じているのでしょう😁
フロリダ州の「エバーグレイズ国立公園」にはアリゲーターとナイルクロコダイルの両種が共存しているアメリカ唯一の場所です。
ナイルクロコダイルはきれいな水辺にしか生息できません。
確かに、「キリマンジャロサファリ」にいるナイルクロコダイルの水はきれいですね。
「エバー・グレイス国立公園」は1979年にユネスコの世界遺産に登録されています。
フロリダ州の南部に位置します👇
緑の囲みはWDWです。
オーランドからはわりと遠い場所にあるので、アニマルキングダムで両方の種を見られるのはありがたいですね。
ちなみに、ディズニー映画『ダンボ』でコウノトリがダンボを運んだシーンが描かれています。
様々な動物の母親に赤ちゃんを授けるため、フロリダのエバーグレーズ国立公園あたりへ向かうコウノトリ👇
さいごに
ワニって日本人にはあまり馴染みがない生き物ですよね。
フロリダ州では湖などに、100%いると思ってほぼ間違いないです。
種は、アメリカアリゲーターです。
冬期なら、ワニは冬眠状態にあるので襲われる心配はありません。
それ以外の時期に旅行する際は、十分すぎるくらいに用心した方がいいです。
この度の、新型コロナウイルス騒動でソーシャル・ディスタンスを測る指針として
フロリダ州では「アリゲーター1頭分離れるように」とされているそうです。
2020年4月頃の話です。
「アリゲーター1頭分」と言われても、日本人にはピンと来ませんよね。
オスの体長は約3~4.6メートル。メスは約2~3メートル。
オスだと、ちょっと離れすぎの感があるので、小さめのメスの体長でしょう。
指針とされていたくらいなので、やはりフロリダ州の方々には日常的に身近にいる生物なのですね。
子どもが小さいときに習った英語の挨拶です。
「See you later , alligator.」
laterとalligatorと韻が踏まれていて言いやすいので、今でもたまに言ったりします😅
これを見たら、ワニのことかわいいと思えるかも👇