ディズニー映画「スリーピー・ホロウの伝説(イカボード先生と首なし騎士)」について

The Adventures of Ichabod and Mr.Toad ディズニー映画
The Adventures of Ichabod and Mr.Toad (1949) lobby card
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スリーピー・ホロウの伝説とは

この記事を元に動画を作りました。

ハロウィンにぴったりのディズニー映画『The Legend of Sleepy Hollow( スリーピー・ホロウの伝説)』があります。
邦題は「イカボード先生と首なし騎士」。
1949年10月5日に公開されてから70年以上も経っていますが、毎年ハロウィンの時期になると大変人気のある作品となっています。

最後に恐ろしいことに巻き込まれてしまう主人公の イカボード・クレイン👇

原作・作者・出版年などについて

日本人には馴染みの薄い物語ですが、アメリカ人にとってはハロウィンの時期に欠かせない定番作品。どのような作品なのか詳しく見ていきましょう。

Washington Irving( ワシントン・アーヴィング)の小説が原作。
・原作のタイトルも同じ「The Legend of Sleepy Hollow( スリーピー・ホロウの伝説)」 。
・今から200年以上前の、1819年に出版。※一度も絶版にはなっていません。
・作者のアーヴィングは法律家でもあり、教会の牧師でもありました。

・34分のアニメーション。
・最も怖いディズニー映画と評価される作品。
・子どもが怖がって困ると、親御さんからいまだに苦情が入るとか入らないとか。。。

・ディズニーアニメ映画 以外にも、1999年のティム・バートン監督の映画「Sleepy Hollow」・テレビドラマの「Sleepy Hollow」などがある。
・1996年、舞台とされた村の名前を「Sleepy Hollow Village(スリーピー・ホロウ村)」と改名。
・現在はアーヴィングと、小説の舞台の聖地として観光地化されている。

紫の丸の ニューヨークから、北に15マイル(24.14km)ハドソン川東岸に位置し、
車・バス・電車で簡単にアクセス可能な場所にあります👇

詳細はこちら→https://visitsleepyhollow.com/

怖かっこいいバッグです👇

「イカボード先生と首なし騎士」のあらすじ

イカボード先生と首なし騎士」がどのような話なのかをまとめていきます。
ディズニー映画では珍しく、ハッピーエンドでは終わらないホラー作品です。

・ニューヨーク近郊にあるスリーピー・ホロウ村に、鼻と耳が大きく・ガリガリでひょろ長い風貌のイカボード・クレインと言う名前の教師が赴任してくる。

・村でブイブイ言わしているブロム(「美女と野獣」に出てくるガストン似)とその取り巻き軍団は、イカボードをからかって面白がるが、村の女子は彼の不思議な魅力にひかれ仲良くなる。

・食べ物に執着し、生徒のランチボックスをチェック。

・授業中イカボードは、料理上手の母親の生徒に優しく接する。
その親からお礼としてご馳走(ターキー)を振る舞われ有頂天に。

こっそり生徒のランチボックスを覗き見るイカボード👇

The Adventures of Ichabod and Mr.Toad
The Adventures of Ichabod and Mr.Toad (1949) lobby card

・そんな中、村一番の金持ちで美人のカトリーナと出会い、一目惚れ。

カトリーナの美貌と財産の虜になってしまい、授業そっちのけで「逆玉の輿こし」の妄想をしてしまう。

・カトリーナもまんざらでない態度で接する。

・同じくカトリーナに恋するブロムは激高し、あの手この手で二人の仲を引き裂こうとするもことごとく失敗する。

・ハロウィンの夜、カトリーナの父親が主催するパーティーに参加。

The Adventures of Ichabod and Mr.Toad
The Adventures of Ichabod and Mr.Toad (1949) lobby card


・ご馳走にありつこうとするイカボードを見ていたブロムは、とある瞬間を見逃さなかった。
イカボードは食卓塩をこぼしてしまい、肩にその塩をかけていたのだった!

・ブロムはそれを見て、あることを思いつく。
・ブロムはパーティーの余興として、歌と踊りを披露。
・その内容は、昔からスリーピー・ホロウ村に伝わる怖い伝説を聞かせるものだった。

「ハロウィンの夜中、馬に乗った首のない騎士(ヘッドレス・ホースマン)が、自身の代わりとなる首を探している。しかし、ヘッドレス・ホースマンが現れるのは森の中だけ。墓地近くの橋の手前までしか来られない。」と。(⇒つまり、川に架かる橋より先へは行けない)

・パーティーの参加者はその歌を笑って聞くが、イカボードは恐怖で震え上がる。

・パーティーの帰り道、その森の中で事は起きる。

・なんと、本当にヘッドレス・ホースマンが現れたのだ!
・ヘッドレス・ホースマンはイカボードの首を剣で切り裂こうとする。
・イカボードは必死に逃げ回り、カーチェイスならぬ、ホースチェイスを繰り広げる。
・例の橋まで逃げ切れることができ、安心して後ろを振り返ると、ヘッドレス・ホースマンは炎で燃えさかるジャック・オー・ランタンをイカボード目掛けて投げつけてきたのだった。

・翌朝、イカボードと乗っていた馬の姿はなく、帽子と粉々になったジャック・オー・ランタンだけが残されていた。

・それから、ブロムとカトリーナは結婚。
・隣町に住む金持ち未亡人と結婚したイカボードは7人の子どもたちと、大好物のターキーを食べて幸せに暮らしていると噂が流れる。

・しかし、もちろんスリーピー・ホロウの住民はそんなばかげた話は信じておらず、イカボードはヘッドレス・ホースマンに連れ去られたことを知っていた。

塩をこぼしてしまう行為

食卓塩をこぼしてしまい・・・」という箇所のことを詳しく説明します。

欧米などの宗教では、塩は犠牲者を弔うときに(防腐剤の役割を兼ねて)魂を浄化する目的で使用されてきたとされてきました。
※これは、日本でも同じですね。
宗教を信じる人達にとって大いなる価値を持つものだったので、その塩をこぼすという行為は不吉な前兆であると信じられていました。
万が一、塩をこぼしてしまったときは、塩をつかみ左肩越しに振り掛けると不吉なことを避けられると言われています。

この迷信を、真剣にやっていたイカボードを見てブロムはこう思ったのです。
「こいつにあの話をして怖がらせてやろう」と。
その作戦は大成功しました。
塩を肩にかける瞬間を見られたばっかりに、イカボードの運命が変わってしまったのです・・・。

ウォルトとビング・クロスビーとアイルランドの伝承

ブロムが「Banshees(バンシー)」のことを取り上げます。
アイルランドの伝承に登場する妖精「バンシー」が叫び声を上げると、近いうちに人が亡くなると言われています。

「バンシー」は、19世紀にアイルランドからの移民が増えた頃から、広くアメリカで知られるようになりました。
ウォルトはもちろん、この映画のナレーションと作中歌を担当したビング・クロスビーはアイルランド系であることに誇りを持っていたので、アイルランドの伝承を作中に入れたそうです。

また、作者のワシントン・アーヴィングは、北ヨーロッパへ旅行中にアイルランドの伝承の「デュラハン」(首のない男性の姿をした妖精)について取材をし、この作品を書き上げました。

このように、アイルランドの伝承がこの作品に大きく関わっていたのです。

ウォルトとアイルランドの関係については、こちらの記事をどうぞ👇

ナレーションと作中歌を担当したビング・クロスビーは、クリスマスの時期に誰もが一度は耳にしたことのある、あの名曲を残した方で、「クリスマスソングの王様」と呼ばれています。

世界中の誰もが知っている「ホワイトクリスマス」👇

Ichabod 「Crane」 と「鶴」の関係?

かなりぶっ飛んだ考察をしてみます。
Ichabod Crane(イカボード・クレイン)のCraneは、日本語に訳すと「」です。
日本では、縁起のいい鳥のイメージが強いですが、なんと北欧圏内では、こんなイメージがあるようです。

日本における「鶴」は、長寿や繫栄、吉兆の象徴として、昔から縁起のいい鳥とされてきました。その証拠に、ことわざや民話、芸術作品や風習などで優遇されて登場することも多いです。

しかしながら、信仰の対象となりやすい動物は、文化圏により、イメージが真逆になることも少なくありません。

鶴もまたしかりで、ケルト神話に親しみがある北欧諸国では、“死を運ぶ鳥”として畏怖されています。

https://haa.athuman.com/media/japanese/culture/2416/

だから、名前がCraneとなったのかもしれません。
なんで、の単語が名前なんだろうと不思議に思っていましたが、原作者のワシントン・アーヴィングが意図して名付けたのかもしれませんね。

申し訳ございませんでした。
間違った解釈&考察を堂々と書いてしまいました。

新たに書いた記事はこちらです。
主人公イカボード・クレインの名前は、アメリカの立派な軍人さんの本名を借用していた説です👇

さいごに

ディズニーは1949年に
・「The Legend of Sleepy Hollow( スリーピー・ホロウの伝説)」
・「The Wind in the Willows( たのしい川べ)」
それぞれの短編作品を、2本立て同時上映として「The Adventures of Ichabod and Mr.Toad( イカボードとトード氏の冒険)」のタイトルで公開しました。
※日本でも70~90年代に流行った、2本立て同時上映と同じ形態です。

この事実をよく知らなかった頃は、「The Adventures of Ichabod and Mr.Toad( イカボードとトード氏)」のDVDのパッケージを見て、『イカボードとトード氏が一緒に冒険する話・・・?』と思ってました。

しかし事実を知ると、とんでもない間違いだったことに気づく訳です。
独立した作品が、2作品で1本のパッケージものだったと。
しかも、1本はホラー作品だし、もう1本はマジックキングダムでアトラクションになっていた「Mr.Toad’s Wild Ride」のカエルの主人公トード氏の話だったのですね。
※カリフォルニアのディズニーランドには現在もあるアトラクションです。

今回は「スリーピー・ホロウの伝説」のみを取り上げました。
次回は「トード氏」の作品について書いていきます👇

おまけ① カルーセル・オブ・プログレスでも登場します

マジックキングダムのファンタジーランドにあるアトラクションの「カルーセル・オブ・プログレス」の第三幕・秋のシーンで娘パトリシアが「ヘッドレス・ホースマン」の話をしています。
彼氏が、ヘッドレス・ホースマンのコスプレでハロウィンパーティーに来ると言っていました。
こんな感じで、アメリカ人にとっては身近な存在の話なのですね。

仮装は、このような感じを想像してもらえればOKです👇

Headless_Horseman
Ewen Roberts

おまけ② DLCのパレードにも登場

カリフォルニアのディズニーランドで行われる、ハロウィンパレードで見ることができます。

ヘッドレス・ホースマンのキャラクター👇

イカボード・クレイン👇
怖がっている姿がナイスです👍

おまけ③ 写真スポット

2022年 マジックキングダム『Mickey’s Not-So-Scary Halloween Party』に合わせて、カッコいい写真スポットが登場しました。

霧がかかって怖さを引き立たせてますね👇

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