The Wind in the Willows(たのしい川べ)の「トード氏」について その2

Mr. Toad ディズニー映画
Tom Simpson The Adventures of Ichabod and Mr. Toad (1949) lobby card 04
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ディズニー映画「 Mr.Toad(トード氏の冒険)」

1949年に公開された「The Adventure of Ichabod and Mr.Toad」のもうひとつの作品である
Mr.Toad(トード氏の冒険)」についてです。

原作の児童書についてはこちらのブログでどうぞ👇

お金持ちで世間知らずのトード氏が主人公のお話です。
とにかく新し物好きで、欲しいものが次から次へとでてきます。
ターゲットにロックオンすると目がグルグル周り、洗脳状態になってしまいます。

こんな感じ👇

そんなトード氏に毎回振り回される仲間たち。
ネズミのラティー、モグラのモーリー、アナグマのマクバジャー、馬のシリル。

あらすじです。

・お金持ちのはずが、色々なものを買いすぎて支払いが滞ってしまう。
・心配したマグバジャーはトード氏を嗜める。
・破産寸前のなか、トード氏はマフィアのイタチ達が乗る、真っ赤な車が猛スピードで駆け抜けて行く瞬間を目撃。
・どうしても自分の物にしたいトード氏。
・大邸宅のトードホールと車を交換して欲しいと、イタチに懇願。
・バーテンダーのウインキーが立ち会い人となり譲渡の契約書を交わす。

・あまりの嬉しさに暴走運転を繰り返す。
・警察に逮捕されるトード氏。
・罪状は車の窃盗罪。
・トード氏は法廷に出廷し自分で自分を弁護する。
・ウインキーとイタチ達はグルで、車を盗んだと主張。
・そこで初めて騙されたと気づくトード氏。
・20年の懲役刑でロンドン塔に幽閉される。

・獄中生活で惨めな思いをするトード氏。
・クリスマスの夜にトード氏は反省し涙を流す。
・そこに祖母に扮したシリルが面会に来てくれる。
・シリルの悪知恵で、女装をし脱獄に成功する。

・質素なクリスマスを送る仲間達の元に行く。
・始めはわだかまりがあったのだが、事情を聞き和解する。
・どんちゃん騒ぎをしているイタチ達とウインキーを追い出し、トードホールを取り返す計画を立てる。

・ウインキーが持っている権利書を巡ってドタバタ劇を繰り広げる。
・トード氏の機転でなんとか権利書をゲット。
・イタチ達とウインキーは逮捕される。
・トードホールで新年を無事に迎えられ仲間達と平穏に暮らす…と、思えたのも束の間。
・窓の外を飛んでいる飛行機に夢中になって旅立ってしまうのでした。

Mr.Toad’s Wild Rideのアトラクション

この映画を元にしたアトラクションについて。

マジックキングダムのアトラクション「The Many Adventures of Winnie the Pooh( プーさんの冒険)」がある場所に、遡ること23年前「Mr.Toad’s Wild Ride」というアトラクションがありました。

現在、カリフォルニアのディズニーランドのファンタジーランドにあるアトラクションと同様のものです。

イギリスの田園風景の中で、トード氏の代名詞でもある暴走運転が体験できるアトラクションです。
マジックキングダムでも大変人気があったアトラクションでしたが、1998年に「プーさんの冒険」に取って代わってしまいました。
その当時、ファンたちが抗議を起し、デモのようなものにまで発展してしまいます。
しかし、計画通りに「プーさんの冒険」は建設されました。
ファンの熱い想いを汲み、技術集団のウォルト・ディズニー・イマジニアリングはトード氏の痕跡をさりげなく残しました。

マジックキングダム内でのトード氏へのトリビュートを3つご紹介します。

トード氏へのトリビュート その1

「プーさんの冒険」の最後の方にある絵が、ファンを泣かせました。
『くまのプーさん』のオウルにトード氏が不動産の権利書を渡している絵が飾ってあるのです!

映画の中で、トードホールの権利書(DEED)を騙されてサインさせられ、それを奪い返すシーンがあります。
そのシーンを彷彿とさせるこの絵。ファンにはたまらない演出となっています。

今回は「騙されて」ではなくて両者合意の上の権利書譲渡シーンですね👇

モグラのモーリーが、くまのプーさんに挨拶している絵もあります。

トード氏へのトリビュート その2

ホーンテッド・マンション40周年記念イベントで、トード氏による「Deed of Departure(旅立ちの宣誓書)」が発行されました。

私は世界のどこかに旅立ちます。
たのしい気分で、池の向こうへ旅に出ます。
これで終わりではありません。
親愛なる友人に 忘れられないよう 敬意を示します。
また、後日お会いしましょう。(ざっくり日本語訳)

ホーンテッド・マンション出入り口の右側にある ペットの霊園には猫やヘビなどと共に、トード氏の像があります。

ファンは必ず立ち寄るスポットです👇

A Tribute to Mr Toad
Joe Penniston A Tribute to Mr Toad

トード氏へのトリビュート その3

ディズニー・ポリネシアン・ビレッジ・リゾートホテルの「Trader Sam’s Grog Grotto」バーのカウンターには、トード氏の車のキーが掛けられています。

理由は、この店でお酒を飲んでいるであろうトード氏に、飲酒運転させないようにキーを取り上げているという設定なんだそうです。

トード氏へのトリビュート おまけ

マジックキングダムの地下には「J.Thaddeus Toad Memorial Room 」と名付けられたキャストメンバー専用の休憩室が存在します。

J.Thaddeus Toad はトード氏の本名です。

地下施設の秘密?について👇

今となっては懐かしい映像

昔のものなので画像は粗いですが、今となっては懐かしくもあり、とても貴重な映像です。
マジックキングダムバージョンの「 Mr.Toad’s Wild Ride 」👇

10月5日はトード氏の日

1949年10月5日は映画公開された日「Mr.Toad Day(トード氏の日)」として毎年ファンがお祝いしています。WDW50周年の今年は、マジックキングダムでも公式にお祝い。
トード氏のハンバーガーやケーキにドリンクが販売されています。
Tシャツも売ってます。後にかなりレア物になるのではないでしょうか。

トード氏のバーガー👇

トード氏がバーテンダーのウインキーと交わした契約書を掲げています👇

契約書には、1949年10月5日、トード氏とウインキー氏との間で正式にトードホールの不動産もしくは邸宅内の物すべてを譲渡すると書かれています。

※騙されて書かされた、一騒動起きるきっかけの契約書ですね。

ディズニーランドパリではレストランが

ディズニーランドパリのファンタジーランドには、トードホールを模した「Toad Hall Restaurant」があります。
フランスでも原作『The Wind in the Willows』の人気があるということですね。
※本当はアトラクションも一緒に作る計画があったそうですが、金額面の関係でキャンセルされたようです。

どのようなレストランなのか、このような説明書きがあります。

イギリスのカントリーサイドにある大邸宅で「 The Wind in the Willows 」をイメージした壮大な空間にて伝統的な英国料理をお楽しみください。

トード氏の肖像画や「 The Wind in the Willows 」のアートワークを背景に、フィッシュ&チップス、サラダ、甘くておいしいデザートの提供があります。

店内の様子です👇

[4K] Toad Hall Disneyland Paris Dining Review Christian Hubel


「限定500体 鑑定書付き」だそうですが、高くてなかなか手が出ません。

イギリスの伝統を踏襲してます

映画の中で、トード氏が裁判にかけられている法廷シーンがあります。

トード氏は法廷で、こう言って白いウィッグを被ります👇

I rise prepared to plead my own defense.
弁護人は立てません。自分の弁護は自分でします。(ざっくり日本語訳)

The Wind in the Willows Mr.Toad
The Wind in the Willows Mr.Toad
The Wind in the Willows Mr.Toad
The Wind in the Willows Mr.Toad

私はこのシーンが一番好きです。トード氏の世間知らずで、ちょっぴり傲慢で鼻につく感じだけどなぜか憎めないキャラクターが良く出ているシーンだと思います。

結局、20年の刑が確定しロンドン塔に幽閉されてしまいますが・・・。

「なぜウイッグを被るのか」について軽く説明します👇

イギリスの法廷では、弁護士や裁判官が白いウィッグを被る伝統があります。
1660年の王政復古のチャールズ2世時代、フランスの影響で裁判所でのドレスコードとして白いウイッグの着用とローブを羽織ることが義務づけられました。
厳粛な場所である法廷内でウィッグを被ることは、威厳と品位を保つため (庶民との格差を出すため )でもありました。
それとは別に、梅毒が流行していた時代だったので、患者は脱毛・発疹などに悩まされていました。
特に抜け毛は、社会的地位が高い人には大問題とされていたので、ウィッグは大変便利なアイテムとなったわけです。
※2007年に法律が変わり、民事裁判&家庭裁判では不要になりましたが、刑事裁判ではいまだに装着義務があります。

トード氏は、一番左側のバリスター・ウイッグ(短めタイプのカツラ)を使用してました。
素材は馬の毛100%で、安くても500ドル(約57000円)はするそうです👇

Wigs for Court
Bob Freund Wigs for Court

イギリスが舞台の話なので、映画の中では、きちんと伝統を踏襲しているということになりますね。

ナレーションは、もちろんイギリス人を採用しています。
シャーロック・ホームズの俳優として有名な ベイジル・ラスボーン氏です。
余談ですが、「Elementary, my dear Watson. (初歩的なことだよ、ワトソン君)」のセリフは彼から始まったそうです。

さいごに

原作の児童書とは少し内容が違っていますが、ディズニー映画はトード氏のハチャメチャっぷりを強調していて、絶対にお子さん達にウケると思います。
イギリスはもちろん、ヨーロッパ、アメリカなど、たくさんの国の人に愛されているお話です。
今回、この記事を書くために何度も何度も映画を見返しました。
映画が楽しくてなかなか記事が書けませんでした😁



こちらは英語バージョンです👇

2022 年11月に発売された限定品のポップコーンバケット。
これは、欲しい‼️

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