ディズニー・カレッジ・プログラムを辞めた理由

Disney College Program Walt Disney World
MCC Current Disney College Program Photo taken
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ディズニー・カレッジ・プログラムを辞める?

ディズニー・カレッジ・プログラム(DCP)を、任期の途中で辞めてしまったアメリカ人の話を書いていきます。
この記事のネタ元は、うちの子の話ではありません。

うちの子がDCPを体験!👇

DCPに合格した日本人であれば、途中で辞める学生はほぼいないでしょう。
日本での大学の単位の心配や、帰国してから肩身が狭くなる思いをするくらいなら、半年~1年間は嫌なことがあっても我慢するはずです。
そもそも、憧れの本場ディズニーで働ける権利を手放す考えに最初から至らないのでは、と思います。
(※私が知らないだけかもしれません。
もし、途中で辞めて帰国された日本人の方がいたらごめんなさい。)

ある日、DCPに合格したアメリカ人のYouTubeを何本か見ていたら、突然「辞める」動画を上げていました。
とても衝撃を受けたので、どういった経緯で、どうして辞める考えに至ったのかを、シェアしたいと思います。

Quit the job (仕事を辞める)

ディズニー好きなら誰もが憧れるDCPに応募し、意気揚々とフロリダ州オーランドへ向かい、長年の夢だったキャストメンバー(CM) になって間もなく、自ら辞めたアメリカ人の動画を偶然見ました。

見終えたら、おすすめ動画にDCPCMを辞めた人の動画が何本も上がってきました。
「こんなにいるんだー。」と、思わず声が出てしまったほどです。

かなりの数なので、全員の分は見ていません。
しかしサムネだけ見ても、「応募」→「合格」→「入寮」→「初日」→「休日」 と何本も動画を上げていたのに、結局最後は、神妙な面持ちで辞めた理由を「告白」する動画の流れは、どの人もだいたい似たり寄ったりでした。

ちなみに、自ら辞める場合のことを『Self term(セルフ・ターム)』と言います。

アンナさん(仮名)の場合

勝手に、個人の記録を載せるのはまずいと思い、仮名でぼやかして書いていきます。

アンナさん(仮名)は、アメリカ人の女性で、念願だったDCPに合格します。
ディズニー大好き一家のアンナさんは、両親からも祝福されます。
そしてオーランドでの生活を始めました。
しかし、仕事を始めてすぐに体調とメンタルを崩します。
仕事が思った以上に厳しく、腰を痛めてしまったのです。
残業もあり休みも少なく、思い描いていた理想の生活とはかけ離れていく感覚に襲われます。
DCP合格以前から、YouTuberとして活動していたので、撮影&編集時間がなくなるのも嫌でした。
一旦、歯車が狂い出すと、止まらない感情が暴走したようで、辞めると決断してからは行動が早かったです。
両親も、彼女の意見に賛同します。

この度、私はディズニーでの仕事を辞め、ディズニー・カレッジ・プログラムを早期退職することにしました。
(中略)
そして、次のステップに進む決断に至った理由について、ようやく真実をお話しすることができます。
(中略)
DCPの仕事を辞めようと思ったとき、自分の夢がなくなってしまい、感情的になると想像していました。
しかし、逆に喜びとパワーに満ち溢れていました。
私は新しい夢を見つけ、自分にとって最適なキャリアアップに繋がる可能性を見出すことができたのです。(ざっくり日本語訳)

このようにあくまでもポジティブシンキングで、自分の考えを述べていきます。
終始笑顔ですが、時々感情的になる場面もありました。
コメント欄をすべて読んだのですが、圧倒的に同情する声が多かったです。

仕事について

彼女の仕事は、ハウスパーソン(ホテルの清掃員)でした。
残業が多く、ほとんど休みがない状態について、プログラムの改善を求めていました。
また、ひとりでホテルの部屋で清掃しているときに、身の危険を感じるような怖い思いをしたそうです。
重労働で、毎日身体が痛くなり、最終的に腰を痛めかがむことができなくなったようです。

DCPの参加者が、興味のある分野で成長できる機会を増やして欲しいと切望しています。
そうすれば、離職率が減るはずだとも言っていました。

退職日の行動

セルフ・ターム(辞職)について。

まず、上司(リーダー)に電話し、セルフ・タームしたい旨を伝えます。
リーダーに、バッジを返還し、正式に退職が受理されます。
意外とあっさりしていて、日本との制度の違いを感じました。

DCPを辞める日には・・・
『Cast Connection(キャスト・コネクション)』へ行き買い物をし、友達とパークで思う存分遊びます。
最高に楽しく、次のステージに向けて素晴らしい1日を過ごせたようです。

「キャスト・コネクション」とは、キャストメンバーがグッズを割引料金(最大70%)で購入できる場所です。※一般のゲストは、入場できません。

倉庫のような場所に、アウトレット商品が並びます👇

うちの子も、ここでお買い物をしていました。

コメント欄より 

ここからは、コメント欄で見かけたDCPに対する意見を抜粋していきます。
実際にDCPを体験した方々の生の声です。

ハウスパーソンキャスト編

アンナさん(仮名)と同じ、ハウスパーソンのお仕事をしていた人の話。

ハウスパーソンは低賃金の割に、重労働の仕事です。
そして過小評価されており、チップはもらえません。
しかも、各部屋の清掃時間が限られていて、8時間以内に、21個の部屋を清掃しなければならないのです。

カストーディアルキャスト編

エプコットでカストーディアルのお仕事をしていた人の話。

「ワールド・ショーケース」でカストーディアルとして働き、週に35~45時間程度働いていました。
「フューチャー・ワールド」のカストーディアルの友人達は、常に週に60~70時間働いていました。
正気の沙汰とは思えません。
友人達は常に疲れているように見え、マネージャーとの衝突もあるようでした…。
全体的にはDCPの経験に、とても感謝しています。
しかし、振り返ってみると24時間365日、とても憂鬱でストレスフルな日々でした。
気の弱い人には向かないかもしれません。

黄色のブロックが「ワールド・ショーケース」
黄色以外が、「フューチャー・ワールド」(以前までの呼び方)👇

フューチャー・ワールドは、2019年8月から
「ワールド・ディスカバリー」
「ワールド・セレブレーション」
「ワールド・ネーチャー」
の3つに分割されました。
もしかしたら、カストーディアルの仕事時間は、改善されたかもしれません。

クイックサービス・フード&ビバレッジキャスト編

クイックサービス・フード&ビバレッジでお仕事をしていた人の話。

労働は激しかったなー。毎日過労でノックアウトしてました。
DCPは基本的には最悪(お金、時間、キャリアの機会)ですが、社会的に経験的に、人生を変えるものだと思います。
だから、絶対に試してみて欲しいです。

フラミンゴ・クロッシングの高すぎる家賃

フラミンゴ・クロッシングの家賃が高いので、DCPの給料だけでは、大学の学費、車のローン&保険の支払いができないと嘆く人が多かったです。
※大学の費用や車関係の支払いを自分だけでするならば、給料だけではやっていけないのも頷けます。

周りのDCPの人は、親が経済的に援助してくれる人が大半でした。
私の両親は全く援助してくれず、家賃とは別に支払うべき請求書があったため、自己破産することになりました。収入が少なかったので、やり繰りできませんでした。

部屋のタイプにもよりますが、毎週木曜日に175~235ドルの家賃が引き落とされます👇

ホームシックになった人

すべてが嫌になり、最終的にホームシックになった方のコメントもご紹介します。

本当はパークで働きたかったのに、ディズニー・スプリングでフードの仕事でした。
仕事はつまらないものでした。
給料も少なかったです。
ルームメイトもひどかったです。
自分の部屋で食事をしていない(私のせいではないのに)アリが出たのも嫌でした。
友人グループのゴタゴタに巻き込まれて、精神的に追い込まれました。
ホームシックになり、ボーイフレンドが会いに来てくれました。
あと何ヶ月も彼に会えず、ここに留まるのはもう耐えられないと思い、セルフタームしました。

特殊な例で解雇された人々

最後は、ちょっと特殊な方々の話です。

友人は他の大学生に髪をセットして、お礼にチップをもらっていたため、解雇されました。

また、とある男性は、コモンズ(寮の名前)の周りを歩き回っている野生のアヒルを捕まえて料理をしていたら、その日のうちに解雇され帰国させられました。

パターソン(寮の名前)のとある女子は、車のトランクに男性を忍ばせて部屋に連れ込みました。
誰かがセキュリティにチクり、男性を調べると、リュックにマリ◯ァナを隠し持っていたのが発覚しました。
彼女はそのときシャワー中でしたが、その場で解雇され、朝までに帰らなければなりませんでした。

ルームメイトの私物を盗んだり、飲酒問題(未成年の飲酒も含む)があった人や、暴行で解雇された人もいました。

個人的な感想

ここからは、あくまでも私の個人的な感想を書いていきます。

日本人的考え方

最初にも書きましたが、日本人とアメリカ人では、立場が全然違います。
日本人の場合は、まずもってDCPの受け入れ人数が少なすぎです。
そして、その中から選ばれたことを自覚させられます。

さらに、留学するために英語に磨きをかけ(これが結構な重圧)、パスポートとJ-1ビザ取得のための書類を揃えたり、飛行機のチケットを確保したり、膨大な費用を捻出したりなどと、面倒な手続きや、やることリストが山積みです。
アメリカで暮らす不安感に押しつぶされるかもしれません。
また、親や友達とも、しばらく離れて暮らす寂しさも乗り越えなければなりません。

そんな想いを抱えていざ、アメリカ行きの飛行機に乗ってしまうと、途中で投げ出して帰国したい気持ちに至らないのではないでしょうか。
これは、「同調圧力」が強い日本人特有の民族性も関係しているのかなと思います。

良い側面をみると、ある程度の覚悟を持って挑戦しているとも言えます。

面倒な手続きの数々をまとめました👇

様々な外国人と暮らすこと

アメリカ人だけではなく、世界中から来た留学生と共同生活をしなければなりません。
やはり、文化や風習が違うので、お互いに亀裂が生まれる可能性はゼロではありません。
そこをどう乗り越えるかが、問われます。
英語でコミュニケーションを取る難しさに、直面するかもしれません。

しかし、そこは学生のノリで上手くいくのが大半でしょう。

アメリカ人の、とあるコメント欄を見て感じたこと。

どうやら、うまくコミュニケーションを取る方法は「敵意を持たないこと」が一番のようです。
「敵意」と言うと、驚くかもしれません。
特に女子の場合、ヒエラルキースクールカーストのような権力構造を形成し、社会を成立させようとする傾向が強いです。
そこで、周りに流されず、どこの階級にも属さない飄々とした態度でいると良いようです。

アメリカ人同士の女子の場合、すべてではありませんが、かなり「敵意むき出し」の関係に発展したケースのコメントを見てちょっと怖くなりました。
多分ですが、同じ土俵に立っているからこそ、争いが生まれるのだと思います。
そこは、同じ土俵には立たず、上手くやり過ごすしかないですね。

うちの子どもは、「人は人、自分は自分」のスタンスで乗り切りました。
ルームメイトや職場での衝突はなく、誰とでもうまくやっていく術を身につけたようです。
就職した今でも、DCPの経験が生きているのか、人間関係に問題なく生活できています。








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