ディズニーがブライトライン鉄道について発表
とても残念なお知らせです。
2020年、オーランド国際空港からディズニー・スプリングスまでを結ぶ、ブライトライン鉄道の路線計画を発表していました。その記事はこちら👇
しかし、つい最近この計画の変更が発表され、オーランド国際空港から、ディズニー・スプリングスまでを結ぶブライトラインの直通路線案がなくなりました。
つまり、ディズニー・スプリングス駅の建設撤廃が決まったのです。
ディズニー広報担当の公式コメントです。
このようにディズニー社は、新しい路線ルートに関わらない方針を表明しました。
ルートの変更について
計画見直しの右往左往についてです。
当初のルートは、「オーランド国際空港」 ⇒「 ディズニー・スプリングス駅」 ⇒ 「タンパ駅」へ向かう計画でした。
水色ラインが元々の計画ルート👇
しかしこのルート計画に、様々な意見が出されました。
・開発土地予定であった Hunters Creek(ハンタズズ・クリーク)の住民から開発反対の声。
・Universal Orlando(ユニバーサル・オーランド)からも、線路が迂回されることに不満の声。
・ディズニー社は、新駅建設を撤回を表明。
・その代替え案として、ディズニーの敷地外に「南インターナショナル・ドライブ駅」の設置を検討。
サンシャイン・コリドー
そして、ブライトライン社、オーランド市、ユニバーサル社などは協議を重ねた結果、当初の軌道線形を変更するプランを発表します。
新しい計画の名前は『Sunshine Corridor(サンシャイン・コリドー)』。
「オーランド国際空港」から、「南インターナショナル・ドライブ駅」(仮称)までを結ぶ路線のプラン名です。
OIA(オーランド国際空港)⇒ SID(南インターナショナル・ドライブ)のオレンジ区間の名称が「サンシャイン・コリドー」👇
👆の地図で、中央を縦断する路線がサンレール。
サンシャインコリドーは、サンレールの既存の本線に、一部区間乗り入れします。
完成すれば、サンシャイン・コリドーはサンレール社が所有することに。
2022年6月、サンレール社とブライトライン社は、鉄道インフラ投資や雇用などの名目で、政府からの助成金 約1,600万ドルを得たため建設を進めています。
サンレール鉄道について
サンシャイン・コリドーを所有することになる、サンレール鉄道についてです。
オーランド市を縦断する鉄道会社 SunRail(サンレール)は、2014年5月から運行が開始されました。
・ボルシア郡デリバー ⇔ オセオラ郡ポインシアナ間の約79㎞の区間を走行。
・午前5時頃〜午後11時頃まで、片道20往復運行。
・月~金曜日のみ運行。
・土日、お正月、独立記念日、クリスマスなどの祝日は運休。
・電源付きのテーブル&無料Wi-Fiあり。
・マウンテンバイクスタンドあり。
オーランドの通勤電車。2階建ての車両👇
一応、通勤電車として認識されていますが、もちろん観光客でも利用可能です。
ユニバーサル・オーランドからの無償提供
「オーランド国際空港」の次の駅は、2025年オープン予定のテーマパーク「Universal Epic Universe(ユニバーサル・エピック・ユニバース)」近くです。
エピック・ユニバースは、まだまだ建設中。
ユニバーサル社が、528号線とオレンジカウンティ・コンベンションセンター周辺の13エーカーの土地を無償で提供したことにより、『OCCC(オレンジカウンティ・コンベンションセンター)』駅を建設することになりました。
しかも駅名が「ユニバーサル」駅ではなく、「オレンジカウンティ・コンベンションセンター」駅となることにも賛成しています。
ユニバーサル社が購入していた土地のOCCC駅。
無償で提供とは、太っ腹です👇
当初の予定の路線だと、ウォルト・ディズニー・ワールド(WDW)だけが恩恵を受けるような形になりそうでしたが『サンシャイン・コリドー』プランは、ユニバーサル、シーワールドや、コンベンションセンターなどを利用する人にとっては、歓迎されるプランになりました。
オーランドと言えば、日本人にはテーマパークの印象が強いと思います。
しかし、全米屈指の「コンベンションシティ」なのです。
学会、展示会、研修会、自己啓発セミナーなど、盛んに行なわれている都市でもあります。
上記の地図👆を見てもらうと分ると思いますが、完全にユニバーサル・オーランドのテリトリーにWalt Disney Worldストアが2022年6月オープンしました。
アウェーに乗り込み?👇
また、上記地図のWDWストア近くには、Icon Orlando 360(アイコン・オーランド360)や、蝋人形館のMadame Tussauds(マダム・タッソー)や、自然派食品で有名な Whole Foods Market(ホールフーズ・マーケット)に、Trader Joe’s(トレーダー・ジョーズ)などの観光客に嬉しい施設がたくさんあります。
「アイコン・オーランド360」高さ122m。1周約23分。
ユニバーサルやWDWも見えます👇
ウォルト・ディズニーの蝋人形は必見👇
ブライトライン鉄道 現在の進捗状況
今現在は、どの路線が開通していて、どの路線が工事中なのでしょうか。
2022年7月の進捗状況は、緑ラインの「マイアミ」と「ウエスト・パーム・ビーチ」間の路線しか運行されていません。
オレンジラインの「ウエスト・パーム・ビーチ」と「オーランド国際空港」間の運行は、2023年内のサービス開始が予定されています。⇒2023年7月22日開業しました!
紫ラインの「オーランド国際空港」と「タンパ」までの路線は、まだまだ時間がかかりそうです👇
今後の予定
ここ最近、ウォルト・ディズニー・ワールドとユニバーサル・オーランドを結ぶ Interstate 4(州間高速道路4号線)は、全米屈指の大渋滞を引き起こしています。
そのため高速鉄道の登場は、渋滞の緩和が期待されるでしょう。
住民や観光客にとって、移動手段の選択肢が増えるのはとても良いことです。
ユニバーサル・オーランドやシーワールド・オーランドへのアクセスが以前よりも格段に良くなります。
南インターナショナル・ドライブ駅
ディズニースプリングス駅の代替え案の、「南インターナショナル・ドライブ駅」について。
紫ラインがブライトライン鉄道。
ディズニースプリングス駅案は、なくなりました。
ディズニーの敷地ではないけれど、近い場所で土地が余っていたのが「南インターナショナル・ドライブ駅」です。
どうやら、ここが最有力候補地となっています👇
全線開通の暁には
ブライトラインが全線開通したら、マイアミやタンパの都市圏へも、気軽に足を伸ばせることになります。
ちなみに、フロリダ州3大都市のマイアミ、オーランド、タンパは、全長約550kmの鉄道網です。
およそ1時間に1本の割合で走る予定なので、アメリカ人だけでなく観光客にとっても喜ばしいことでしょう。
ウォルトが見ていた鉄道輸送の夢
ウォルト・ディズニーは生涯、鉄道に対して情熱を降り注いできました。
ディズニー・パーク内に鉄道を走らせたり、家の裏庭にミニ鉄道を作ったり、ディズニー映画の題材にしたり、彼は筋金入りの鉄道オタクでした。
ウォルトは、亡くなる数年前に発表した 未来都市の『EPCOT』計画の中で、人々が簡単に効率良く移動できる手段として、近代的で環境に優しい旅客鉄道のイメージを描いていました。
フロリダ州南部から中央への長距離鉄道が、もしもウォルト・ディズニー・ワールド内に停車するとしたら大賛成したでしょう。
なので、今回のディズニー社のニュースについて、ウォルトがどう思うか知る由も無いですが、きっと残念に思うはず??
あくまでも個人的な想像です・・・。
建設に着手するのは先の話なので、ブライトライン社としては、ディズニー社が再考してくれることも視野に入れているそうです。
このプロジェクトに関わる多くの人が知っているように、新しいルート構成はディズニースプリングス駅をサポートしておらず、その結果、我々はこのプロジェクトの一部になるとは思っていない。(ざっくり日本語訳)