ギデオン ・ベイクハウスについて
クッキーとケーキのスイーツ店 Gideon’s Bakehouse(ギデオン・ベイクハウス)について。
2020年6月、ディズニー・スプリングスに「Gideon’s Bakehouse(ギデオン・ベイクハウス)」がオープンしました。
店構え、クッキー&ケーキの見た目のインパクトが、今までの常識を覆すようなスイーツ店となっています。
オーランドの East End Market(イースト・エンド・マーケット)
ディズニー・スプリングスの Gideon’s Bakehouse(ギデオン・ベイクハウス)について語る前に、まずは East End Market(イースト・エンド・マーケット)について説明します。
オーランドにある「イースト・エンド・マーケット」は、ディズニー・スプリングスから約35㎞ 北東方向に進む場所にある、オーランド初のフードホールです。
ここに2016年10月、1号店の Gideon’s Bakehouse(ギデオン・ベイクハウス)を出店します。
その経緯を説明していきましょう。
East End Market(イースト・エンド・マーケット)
「イースト・エンド・マーケット」は、オーランドのオーデュボン・パーク・ガーデン地区に、2013年10月25日にオープンしたフードホールです。
元々は、教会だった場所に倉庫のような広い空間を作りました。
中庭もあり、くつろいだりもできるので、食とコミュニティスペースが融合された、地元民にとって最高のスポットとなっています。
※フードホールとは、日本でも最近流行しているスタイルで、マルシェ(市場)とフードコートとレストランが集まっているスポットのことです。
創業者のスティーブ・ルイス氏について
ギデオン・ベイクハウスの創業者の スティーブ・ルイス氏 は、若い頃から自分の地元には、美味しいチョコレートクッキーのお店がないことを悲しんでいました。
そこで「美味しいお店がないなら、とびっきり美味しいクッキーを自分で作ろう」と、自宅のキッチンでクッキーを焼き始めます。
15年もの歳月と、数千回の試作を重ね、ようやく素晴らしいレシピが出来上がりました。
※この間に、ケーキのレシピも完成させています。
スティーブ氏の、手作りのスイーツに対する情熱と愛情が伝わるコメントを抜粋してご紹介します。
私たちのクッキーは製品ではありません。
甘くてしょっぱい、感情を揺さぶるようなデザートです。
クッキーを作るのに16時間、ケーキを作るのに20時間を費やします。
あなたの想い出に残るような、最高の体験をご提供したいからです。
それが、私たちのブランドなのです。
(ざっくり日本語訳)
クッキーの完全なレシピは、誰にも知らされていません。
スタッフは、あらかじめ計量された「魔法の袋」の粉に卵・バターなどを加えるだけだそうです。
この事実は意外でした。
ギデオン・ベイクハウス イースト・エンド・マーケット店
スティーブ・ルイス氏は満を持して、2016年10月 イースト・エンド・マーケット内に自分のお店をオープンします。
資本金はたったの約90,000円、約26㎡の小さな個人経営のスイーツ店。
従業員もスティーブさんと、メーガンさんの2人だけでした。
しかし、なんとオープンから数週間でメディアに取り上げられるほど有名に!
例えば。。。
・ボストン・グローブ新聞「Best Place in the World to Get a Cookie」
(世界でいちばん美味しいクッキーのお店)
・オーランド・センティネル新聞「Best Desserts in Orlando」
(オーランドで最高のクッキー)
ほかにも、ニューヨークタイムズ、インサイダー・マガジン、ピープル・マガジンなど、36ものメディアに大絶賛されました。※2022年1月現在。
すべての始まりは一冊の料理本から
本を集めるのが趣味のスティーブ氏。
とある、一冊の中古本を買ったことからすべては始まりました。
1898年に、イギリスで出版された中古の料理本を購入します。
その本のページの余白に、パン職人を夢見る少年らしき人物の、色あせたメモや落書きがびっしりと描かれていたのを発見。
巻末に書かれた名前が、本の持ち主の「Gideon(ギデオン)」でした。
そこで、その少年の夢を叶えるため「Gideon’s Bakehouse(ギデオン・ベイクハウス)」と屋号をネーミングしました。
1898年に出版された本に敬意を表して
スティーブ氏はこう思いました。
「気味の悪い少年のパン屋は、どんな感じだろうか?」
1989年に出版された一冊の本から、みるみるうちにインスピレーションが湧いてきて、スティーブ氏の構想が膨らみます。
そしてイギリス・ヴィクトリア朝時代の美術品や古書などを店に陳列し、雰囲気を出します。
また、そのほかにインスピレーションを得た作品はこちら👇
✰アメリカの絵本作家の Edward Gorey(エドワード・ゴーリー)
→1925年生まれ。中世のヴィクトリア朝やエドワード朝の時代設定を好み、不穏で、残酷かつ冷酷な物語の場面を描くのが特徴。独特の世界観の作風が評判となり、コアなファンに支持されています。
✰マジックキングダムのアトラクション Haunted Mansion(ホーンテッド・マンション)
ディズニー・スプリングスの「Gideon’s Bakehouse(ギデオン・ベイクハウス)」
個人経営の小さなお店が、地元で話題を呼び大人気店となる経緯がわかったと思います。
そして遂に、2020年6月、世界的大企業の商業施設(ディズニー・スプリングス)に旗艦店を出店することとなりました!
3年と8ヶ月で掴んだ成功です。
これこそまさに「アメリカンドリーム」ではないでしょうか。
ローカルビジネスからの大成功モデル店
初期メンバーのメーガンさんは、現在いないそうです。
そして、現在の雇用者は100人以上で構成されています。
混雑必至、売り切れ御免
見た目と味はもちろん、店の外観にもインパクトのある、スイーツ店。
しかも毎月、限定フレーバーのクッキーとケーキが登場します。
クッキー1枚の重さはなんと、約227gもあります。
平均的な待ち時間は1~2時間。混雑する日は、5時間程度だそうです。
ひとり6枚までのクッキーが買えます。
ケーキは毎日2~3種類を、ローテーションで提供しています。
ディズニー・スプリングス店では、予約の受付けはしていません。
人気の商品は、午前中に売り切れてしまうことが多いです。
✰行列を作らないための配慮✰
・ 混雑してきたら「Virtual Queue(バーチャル・キュー)」と呼ばれる方法に切り替わり、メールでお知らせ。
・メールが届いたら、 フロントドアの右側のガーゴイルに守られているスタッフに見せる。
・確認後、入店。
フードコートなどで渡される「呼び出しベル」or「ワンタッチコール」のような感覚ですね。
それにしても、5時間も待つ日があるとは。人気のほどがわかります。
「ガーゴイルに守られている」スタッフ。表現方法がいいですね👍
https://gideonsbakehouse.com/locations/disney-springs/
興味を引く、不気味で不思議な店内
スイーツ店とはほど遠い「ホーンテッドマンション」風の店内です。
ギデオン・ベイクハウスのメニュー
定番メニューはこちらから👇
月替わりのメニューとメニューカード
毎月、限定フレーバーが出て話題になります。
メニューカードの絵柄も毎月変わり、これもまたレアカードとなっています。
2022年1月の限定フレーバーは、「バナナ」。
メニューカードは、トビアス・ブリムストーン博士の絵柄でした👇
アートディレクターのマイケル・レイズ氏
ギデオン・ベイクハウスに飾られている、奇妙でかわいく、クセになるタッチの絵を描いている
マイケル氏。
彼は、ギデオンのアートディレクターであり、スティーブ氏の大親友だそうです。
ギデオン・ベイクハウスのブランド戦略、デザイン設定など・・・。
細部に至るデザインまで神経をとがらせ、トリビアや裏ストーリーを作り上げた人物です。
ディズニーワールドのアトラクションのような、細かすぎるトリビアや隠れたストーリーのような設定を組み込んだ店構えをし、口コミで多くの集客を呼ぶことに成功しています。
マイケル・レイズ氏は、2022年のEPCOT国際芸術祭「フェスティバル・オブ・アート」に登場。
オリジナルのアート作品を販売しています。
FUNKO POP!
店内の絵やカードを見て、なにかに似ているなと思ったら、「FUNKO POP!」でした。
顔が大きくて目がまん丸。
FUNKO POP!(ファンコ・ポップ) とは、アメリカの「ファンコ社」が製造しているフィギュア人形です。
約10~18センチの大きさで、幅広いキャラクターとコラボしています。
もちろんディズニーフィギュアもあります。
Mr.Toadの目を回したフィギュアです。これは、お宝物かも👇
まとめ
マイケル・レイズ氏の絵も、FUNKO POP!同様に、頭でっかちにまん丸の目が特徴です。
実際、とても人気があり、Tシャツなどのグッズはすぐに売り切れてしまうほどです。
月替わりで 限定フレーバー を出してリピーターを獲得したり、店内をホーンテッドマンション風のアトラクション要素を盛り込んだり、ファンを作る戦略が非常にうまいです。
肝心のクッキーやケーキの評判も、なかなか良いです。
焼き上がり後に、シーソルトを振り掛けるので、単に甘いだけではなく甘塩っぱさが美味しさの秘訣かもしれません。
ローカルビジネスからの挑戦で、情熱と創造性でブランドを構築し、成功出来た良いビジネスモデルだと思います。
ちなみに、ディズニースプリングス店よりも、イースト・エンド・マーケット店のほうがクッキーは1ドル安く買えます。
そんなに長い行列もないようです。
次回は、ギデオン・ベイクハウスに隠された秘密(バックストーリー)を紐解いていきます。
なかなか、興味深くおもしろいです。
2016年10月、従業員のメーガンと、$800の予算のみでオープンした小さなお店です。
成長に追いつくために、数々の課題を乗り越えここまできました。
そして今、次の大きな一歩を踏み出す準備が整い、WDWのディズニー・スプリングスに出店することをお知らせします。(中略)
私たちは、オーランドのスイーツ店代表としての誇りを自覚しております。
また、お気に入りの場所(ディズニー・スプリングス)での、ゲストの方との おしゃべりを楽しみにしています。
つきましては、皆様のご支援を賜りますようお願い申し上げます。
ご来店お待ちしております。
(ざっくり日本語訳)