ディズニーランドの高級アパートメント「ロイヤル・スイート」
ウォルト・ディズニーは、カリフォルニアのディズニーランド メインストリートU.S.A.の消防署の上にプライベートのアパートを持っていました。
しかし、約280㎡の広さの、第2の高級アパートメントが、ニューオーリンズ・スクエアに存在するのはあまり有名ではないかもしれません。
以前記事にした、Club33専用のラウンジと同時進行で、第2の高級アパートメントの建設もされていたのでした。
ウォルトと家族は、消防署の上のアパートで実際に生活していた時期がありました👇
ウォルトは、兄のロイの家族も一緒に泊まれる、もっと広いアパートがあれば最高だと考えていました。
そして、パークの喧騒から離れたニューオーリンズ・スクエアの「カリブの海賊」の2階に、第2のプライベート・アパートメントを設置することにしたのです。
ディズニー・イマジニア ドロシア・レドモンドがアパートのレイアウトを水彩画で描きます。
コンセプトは、19世紀にニューオーリンズで流行した「エンパイア・スタイル(帝政様式)」でした。
ドロシアさんの描いた水彩画👇
家具や装飾はClub33と同様に、妻のリリアンとディズニー・スタジオのセットデコレーター、エミール・クーリが担当。
このプロジェクトは、ニューオーリンズ・スクエアのロイヤル・ストリートに建設されることから「Royal Suite(ロイヤル・スイート)」プロジェクトと命名され、1967年中には完成するはずでした。
しかし、1966年12月15日にウォルト・ディズニーがこの世を去ります。
このプロジェクトの進行状態は、配管やインフラなどを含めほぼ完成に近い状態でしたが、ウォルトがいなくなっては意味がないと判断し、一旦中断されました。
ウォルトは、Royal SuiteもClub33も完成を見届けることができなかったのです。
その後は、オフィスとして使用されたり、1987年7月~2007年8月までは、ディズニー・ギャラリーとして活用していました。
1987年7月11日オープンのディズニー・ギャラリー👇
Dream Suite(ドリーム・スイート)で宿泊体験
それから約5ヶ月後の2008年1月31日、ディズニー・ギャラリーからDream Suite(ドリーム・スイート)へと生まれ変わります。
1階はカリブの海賊👇
パーク内唯一の、高級スイートルームであったドリーム・スイート。
ディズニー・イマジニアのKim Irvine(キム・アーヴァイン)氏が設計を担当します。
キム氏は
「私たちイマジニアの計画は、かつてウォルトがドロシアと取り組んだレンダリングを使用し、それをできる限り忠実に再現することでした。」
「彼女のイラストは、各部屋の色やスタイルがとても具体的でした。」
「ゲストにとって特別なものにするために、単なる美しいスイートルームではなく、ウォルトがディズニーランドを夢見たときにインスピレーションを受けたかもしれないもので満たしたい。」
と、後に語られていました。
「ドリーム・スイート」は
・リビングルーム
・ベッドルーム2室
・バスルーム2室
・オープンエアーのパティオ
を備えています。
この1室しかないスイートルームは、一般的なホテルのような予約方法では泊まれません。
「ディズニー・ドリームス・プレゼントキャンペーン」などの様々なキャンペーンで当選された方だけが、ドリーム・スイートでの宿泊を体験できたのです。
しかし、6年後の2014年にスイートルームは閉館しました。
スイートルームの一部👇
窓の所にある四角くて白い物は、1966年製の冷蔵庫です。
ウォルトは、この部屋にバーを作る計画を立てていました👇
バルコニーの手すりには、ウォルト&ロイ・ディズニーのイニシャル「WD」「RD」が👇
鳥かごのオーディオアニマトロニクス、鉄道模型、シンデレラのガラスの靴など、イマジニアの仕掛けがたくさんの、豪華すぎるスイートルームを2分ちょいで紹介しています👇
21 Royal(21 ロイヤル)へと改装
近年、ドリーム・スイートが改装され、21 Royal は「プライベート・ダイニングルーム」と「ラウンジ・スペース」として利用し始めました。
カリブの海賊の場所が、ロイヤル・ストリート21番地に位置するので、21 Royalと名付けられます。
ディズニーランドにClub33のような高級ダイニング&ラウンジの21 Royalが誕生👇
ここからは「ファンタズミック!」ショーが一望できます。
超高級なディナー体験
21 Royalは、Club33の会員であればもちろん利用可能です。
しかし、なんとClub33の会員でなくても、一般のゲストでも利用可能なのです。
お食事は、7品目のコース料理。
シーフードスープ、キジのカレー、A5 ランク和牛、アラスカ産タラバガニなど。
敏腕シェフが、旬のものを提供してくれます。
ワインなどのアルコールは、飲み放題です。
ちなみに、ディズニーランド園内でアルコールが飲めるのは、ここ21RoyalとClub33だけです。
こちらで、豪華なディナー体験ができます👇
ディナーの終わりには、バルコニーから「ファンタズミック!」を見て最高の眺めを楽しめ、夢のような夜が過ごせます。
ちょっとしたお土産も付いてきます。
こんなに豪華で、特別なディナー体験にいくらの予算が必要だと思いますか?
それは、15,000ドルです!
15,000ドルには、入園料・駐車場代・税金・チップが含まれています。
もちろん1人あたりの料金ではありません。
1日分の料金です。
最大、12名までのグループでの予約を受け付けてくれます。
つまり、1人あたり1,250ドルで一生に一度の?素敵なダイニング体験ができるのです。
最近、ドル高円安なので日本円に換算するのが怖いのです。
2022年7月4日のレート135円で計算すると・・・約170,000円でした。
まあ、入園料などすべて込みであれば富裕層の方には、全然大したことないない金額なのでしょうね。
ちなみに21 Royalの予約は、6ヶ月前から。
通常は、水曜~土曜日のディナータイムのみの営業です。
写真撮影はOKですが、動画撮影は禁止。
21 Royalは、Club33と違い、ミッキーなどのキャラクターは登場しません。
これは、ちょっと残念ですね。
さいごに「隠れミッキー」
妻リリアンの主寝室(設定)には、ジャグジーが備えられています。
ジャグジーの頭上には、ステンドグラスの星空が浮かび上がります。
星空の中にある「隠れミッキー」👇
他にももっと、隠れミッキーはあるかもしれません。
実際に、大枚をはたいて足を踏み入れた人にしか分かり得ません。
「ウォルトが、ディズニーランドを夢見たときにインスピレーションを受けたかもしれないもので満たしたい。」と、イマジニアのキム氏が語っていたように、ウォルトの直感力を感じられる部屋での食事は、ファンならバケットリストのひとつでしょうね。
実際にディナーを体験した感想動画(約20分)です👇