ディズニーランドのVIPラウンジだったRed Wagon Inn Restaurant(レッド・ワゴン・イン・レストラン⇒現 プラザ・イン)について

Plaza Inn Disneyland
Loren Javier Plaza Inn
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レッド・ワゴン・イン・レストラン

カリフォルニアのディズニーランドの開園の1955年からあった
Red Wagon Inn Restaurant(レッド・ワゴン・イン・レストラン)

メインストリートUSAを進み、アメリカ史の時代区分で1890年代を表す『Gay Nineties(ゲイ・ナインティーズ)』風のノスタルジックを感じさせる豪華な内装のレストランが、Red Wagon Inn Restaurant(レッド・ワゴン・イン・レストラン)でした。

フライドチキンやリブステーキが有名で、冷暖房完備&座席数は400もありました👇

60年以上も前の「お子様用メニュー」(1959年)👇

1959 Swift's "Red Wagon Inn" Children's Menu
Tom Simpson 1959 Swift’s “Red Wagon Inn” Children’s Menu

ビクトリア様式の豪華なレストラン

レッド・ワゴン・イン・レストランの豪華なインテリアは、ウォルトの妻リリアンや、ウォルト・ディズニー・イマジニアリング(WDI)のエミール・クリが厳選。

ステンドグラスの窓、精巧な玄関、階段、柱、木工フレームなど、ほとんどの建築資材は、ロサンゼルスのセント・ジェームス・パークエリアにあった豪邸から譲り受けたものです。

1870年頃(?)ドイツ人のRosa Von Zimmerman(ローザ・フォン・ジマーマン)男爵夫人が、セント・ジェームス・パークに約2,800㎡の土地を購入し、ビクトリア様式の家を建築。

St. James Park Rosa Von Zimmerman
https://stjamesparklosangeles.blogspot.com/2012/08/20-st.html


この貴重な豪邸が、1950年前半に取り壊されることを知ったWDIたちは、できる限り歴史的な建築資材などを救済し、ディズニーランドのレストランに再利用したのです。
引用 ST.JAMES PARK

150年以上の歴史がある「ステンドグラス天井」は必見です👇

こちらも150年以上の歴史がある、豪華な正面玄関👇

The doors of the Plaza Inn
Loren Javier The doors of the Plaza Inn

かつてのVIP専用ラウンジがありました

Red Wagon Inn Restaurant(レッド・ワゴン・イン・レストラン)には、一般のゲストが利用できるレストランとは違う入口があり、『ウォルト・ディズニーのプライベート・ダイニングルーム』と呼ばれる部屋がありました。

VIPラウンジ・専用バスルームがあり、専用ドアマンの出迎えもありました。
Club33のオープン以前はこちらで、ウォルト自ら、アメリカ大統領、王族、国家元首、政治家やセレブリティなど、特別なゲストを招いていました。
この部屋で、ディズニー関連のクラブがミーティングを開くこともあったそうです。

また、レストランの裏側には、『Inn Between(イン・ビトゥイーン)』と呼ばれる部屋があり、そこはキャストメンバーの食堂でもありました。

1967年6月15日、ニューオーリンズ・スクエアに『Club33』をオープンしてからは、Club33をVIPラウンジとして使用するようになりました。
その後、かつてのVIPラウンジはどうなったかと言うと・・・
新しいスポンサー企業が使用するスペース⇒オフィススペースを経て、結局は取り壊されてしまいました。

Club33についての詳しい解説はこちら👇

スポンサー撤退でマイナーチェンジ

レストランオープンから10年が経過し、スポンサー企業の撤退が決定。
そこで、ウォルトは「レッド・ワゴン・インレストラン」をマイナーチェンジしようと決めます。

ウォルト・ディズニー・イマジニアリング(WDI)のドロシア・レドモンドジョン・ヘンチは、さらに優雅なダイニングへ改装します。

左の方がジョン・ヘンチ氏。
左の壁には、ドロシアさんのスケッチが飾ってあります👇

ウォルトはマイナーチェンジする際に、強く望んでいたことがあります。

アメリカの平均的なブルーカラーの人々は、自分や家族のために贅沢する余裕がないかもしれない。だから、内装を思いっきり豪華にして欲しい。そして、カフェテリア同様の値段で食べられるようにして欲しい。(ざっくり日本語訳)

優雅で非日常空間のレストランだけれども、敷居は低くして家族全員で楽しめるコスパ最高のレストランを作って欲しいとの要望でした。
庶民の気持ちを理解できる、素晴らしい経営者ですね。

新しいプラザ・イン

レッド・ワゴン・インからPlaza Inn(プラザ・イン)へと、リニューアルオープンします。
1967年7月18日 ディズニーランド10周年記念日と同じ日でした。
パティオを合わせると、約500席まで席数を増やしました。

Plaza Inn
Loren Javier Plaza Inn

200年以上の歴史があるフランス製のブロンズ&クリスタルシャンデリア👇

このシャンデリアは、電動で下降するので清掃がしやすい工夫がされています。

他にも、アンティーク家具などが集められプラザ・インを彩っています。

このランプは、ヨーロッパのお城で実際に飾られていたものです。
フランス製のバカラクリスタルを使用しています👇

Plaza Inn Lamp
HarshLight Plaza Inn Lamp

ベーカリー施設の増設

レッド・ワゴン・イン時代にはなかったものができました。
そもそも、ディズニーランド開園から10年間「ベーカリー施設」がなかったのです。
外部業者が運んで来る物を売っていました。
ベーカリー施設の増設により、バースデーケーキやウェディングケーキを焼けるようになりました。

キャラクターダイニング

プラザ・インに生まれ変わってからは、それまでのテーブルサービスは廃止されます。
ランチもディナーも、ブッフェ方式になりました。

朝食は、「ミニー&フレンズ」のキャラクターダイニングが楽しめます。
これは、1987年から始まりました。
広々としたパティオでは、屋外で「Sleeping Beauty Castle」を眺めながらの食事も可能です。

クリスマスのお祝い

1969年のクリスマス『キャンドルライト・プロセッショナル』では、プラザ・インで特別なメニューが登場。

このセレモニーの後に、豪華な食事をプラザ・インで楽しむプランがありました。

Red Wagon Inn時代の面影発見

現在のプラザ・インには、かつてのレッド・ワゴン・イン時代に敬意を示したものがあります。

リトル・レッド・ワゴン

入口近くにあるワゴン『リトル・レッド・ワゴン』がそうです。


ここのワゴンのコーン・ドッグは、パークで一番おいしいと評判です。
フライドポテトなど他の揚げ物とは別の、コーン・ドック専用油で揚げているそうです。

ちなみに「コーン・ドッグ」とは、「アメリカン・ドッグ」のこと。
トウモロコシの粉末を練り上げた生地を使用しているため、「コーン・ドッグ」と呼ばれます。
「アメリカン・ドッグ」はアメリカでは、まったく通じない和製英語です。

風見鶏

レッド・ワゴン・インと同じ企業スポンサーのレストラン『The Plantation House(プランテーション・ハウス)(1962年閉鎖)』に飾ってあった「風見鶏」は現在、プラザ・インの屋根に鎮座しています。

ウォルトのお気に入りだったレストラン

1965年7月「ディズニーランド10周年記念」のお祝いは、リニューアルしたばかりのプラザ・インで行ないました。
乾杯の音頭をウォルトが取ったそうです。
ミッキーも駆けつけました👇

ウォルトは、このテーブルがお気に入りだったそうです。
コーヒーを飲んで過ごすかけがえのない時間を大事にしていたのでしょう。
この写真の数ヶ月後には、もうこの世には存在していません。
そう思って見ると切なくなりますね。

もし、カリフォルニアのディズニーランドへ行くことがあれば、ぜひプラザ・インで食事をしてみてはいかがでしょうか。
ウォルトのお気に入りのテーブル&イスも残してありますし、歴史のある外観&内装も必見ですし、
ワゴンのコーン・ドッグもおすすめです。

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